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【今から始めよう!70代まで働く健康術】「慢性疼痛」の原因は脳にあり 患者ごとに違う部位、解明できれば個別化医療も (1/2ページ)

 長らく続くテレワークやコロナ自粛で、腰や肩、首などに痛みを抱える人が増えている。医療機関の受診で改善すればよいが、治療を受けても痛みが続くことがある。中には、激痛に苦しんでいるのに、医師から「検査で異常が見つからない」と告げられて途方に暮れるケースも。3カ月以上続く痛み、あるいは、繰り返される痛みを「慢性疼痛(とうつう)」という。この病気に、近年、大きな医学的な進展が見られるようになってきた。

 「かつて慢性疼痛は、原因となる組織の損傷にともなう痛み(侵害受容性疼痛)、神経の機能的異常に伴う痛み(神経障害性疼痛)、それ以外は、心因性疼痛や非器質性疼痛などに分類されていました。この心因性疼痛や非器質性疼痛で、脳に関係する痛みが重要視されて研究が進み、医学的な発展につながっています」

 こう話すのは、東京慈恵会医科大学先端医学推進拠点・痛み脳科学センターの加藤総夫センター長(教授)。痛みと脳のメカニズムなどの基礎研究を長年行い、今年3月、「心や脳の働きが全身に広がる痛みを生み出す仕組みを解明」という論文を発表した。「一昨年、国際疼痛学会が新たな慢性疼痛の定義(別項)を公表しました。また、2018年にWHO(世界保健機関)が、疾病分類(病気の分類)に慢性疼痛を新たに定義しました。ようやく慢性疼痛が、単なる症状ではなく、病気として認められるようになったのです」

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