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【長田昭二 ブラックジャックを探せ】「摂食機能障害」治療の数少ない専門家 昭和大学歯学部教授・弘中祥司さん (1/2ページ)

 おなかがすいたら何かを食べる-。そんな当たり前の行為ができない、というより「興味を持たない」子供がいることをご存じだろうか。

 未熟児や染色体異常、脳性まひなど、様々な障害によって「食べる」という行為ができない子供たちがいる。鼻からのチューブや胃瘻(ろう)からの経管栄養に頼ることになるのだが、それでは「おいしい」という感覚を知ることができない。

 そんな子供たちに「食べるトレーニング」を行い、正常な機能を獲得する取り組みをしているのが昭和大学歯学部の弘中祥司教授だ。

 「学生時代に障害者の歯科治療に接したことからこの分野に進みました。『おいしい』という感覚を知ってもらうにはどうすればいいのかを勉強したくて、北海道から東京に出てきてしまいました(笑)」

 食べることを拒否する認知症の高齢者がいる。見た目は似ているが、弘中教授は「症状の成り立ちが異なる」という。

 「高齢者は過去に『食べていた』という経験があるので、『おいしい』という感覚を知っている。だから自分の好きなものなら食べるんです。ところが生まれてすぐに経管栄養になってしまった子供は、食べた経験がないから“食べること”に興味を持てないし、そもそも食べ方を知らない。それだけに難度も高い」

 そんな子供が「おいしい」と感じる味は、それまで摂取してきた栄養成分によって異なる。

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