【BOOK】仕事だけではない「自分の人生」送る “ほのぼのマンガ”で伝える お笑い芸人・矢部太郎さん『ぼくのお父さん』 (2/3ページ) BOOK
--進路の選択に口を挟んだりもなかったのですね
「押し付けみたいなことはなかったし、僕の人生を尊重してくれていると思います。自分自身の生き方を尊重するということは、他人の人生も尊重するという考えじゃないでしょうか。ただ、僕が大学に進学したのは、ひょっとしたら、父と違った(世間並みの)生活をしよう、という反抗心が、少しあったかもしれませんね」
--いまの時代にあって、お父さんの自由さに心も癒やされますし、「大事なことは結果じゃなくて過程の中にある」という言葉が印象的です
「(本書の中の)子供たちと焼き物をする野焼きのところですね。父はずっとそう言っていて、子供たちを集めた教室みたいなところで配ったプリントにも書いてありました。野焼きをしたのも、窯で焼いちゃえば結果が出るのが早いですが、野焼きは、人類が最初に焼き物を始めたのはここからだ、という過程を父は伝えたかったのでしょう。畑をやったりしていることもそうだと思います」
--ご自身はどんな子供だったのですか
「周囲にうまく馴染めなかったんですね。それでいろいろ(自分の世界を)探していたんでしょうね」
--紙芝居も描いておられる
「絵を描くことは好きでしたし、父が子供の教室で新聞みたいなものを作らせていたようで、その紙を使って自分で新聞を書いたりしていました。小学校の壁新聞みたいな学級新聞も(先生に)頼まれて書いてましたね」
--お父さんと似ているところはありますか
「そうですねえ、そういえば、父のように絵日記などの資料を取っておくのも、物が捨てられないというか、そこが似ているかな。パソコンのファイルもなかなか消せなくて」