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【ドクター和のニッポン臨終図巻】上方落語家・笑福亭仁鶴さん ラブラブの人生やったんですね (1/2ページ)

 1986年は、僕にとって忘れられない年。研修生活を終え大阪大学病院の勤務医として新たな医者人生のスタートした。同じ年、こてこて大阪風味の法律相談番組『バラエティー生活笑百科』(NHK・毎週土曜放送)の司会が初代・西川きよしさんから、この人に引き継がれました。

 「四角い仁鶴が、まあるくおさめまっせ~」

 あの声を何百回も聴きながら、僕は大学病院で医学者として鍛えられました。1週間の張り詰めた心を落ち着かせるような、癒やしの言葉でもありました。

 上方落語家の笑福亭仁鶴さんが8月17日、大阪市内の自宅で亡くなりました。享年84。死因は、骨髄異形成症候群(こつずいいけいせいしょうこうぐん)との発表です。

 この病気は、僕が若い頃は、「前白血病状態」、もしくは、「くすぶり型白血病」という名前で呼ばれていました。赤血球・白血球・血小板の工場である骨髄に異常が起きる病気で、白血病の一歩手前の状態と言われますが、白血病ではありません。

 初めてこの病名を聞いた人も多いことでしょう。しかし、高齢者ではそれほど珍しい病気でもないのです。貧血症状が続き、倦怠(けんたい)感があり、皮膚に青あざができるようであれば、血液検査と骨髄検査でそう診断されても、症状が軽ければ、経過観察のみで治療をしないこともままあります。ただし、血液検査でヘモグロビン値が8以下になった場合は、輸血の適応とされています。

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