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【BOOK】人間の美しさとはハートの強さ、カンボジアが舞台「現代の黙示録」 作家・桐野夏生さん『インドラネット』 (3/3ページ)

 ■『インドラネット』KADOKAWA1980円・税込

 非正規雇用で安給料、オーバーワークの日々を過ごす20代半ばの青年・八目晃(やつめあきら)は、容姿平凡で運動神経は鈍く、コンプレックスの塊だ。唯一の誇りは、高校時代の同級生でカリスマ性のある野々宮空知(そらち)や、その美貌の姉妹らと特別に親しく付き合ったことだった。その空知がカンボジアで消息を絶った。姉妹の居場所も分からない。空知を追って東南アジアの混沌に飛び込んだ晃を待ち受けていたものは、運命の3姉弟妹がたどった凄絶な過去だった…。

 ■桐野夏生(きりの・なつお) 1951年、石川県生まれ。69歳。93年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞、10年と11年に『ナニカアル』で島清恋愛文学賞と読売文学賞の2賞、それぞれ受賞。日本推理作家協会賞受賞の『OUT』は04年、エドガー賞候補になる。日本ペンクラブ会長。

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