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【ドクター和のニッポン臨終図巻】画家・入江一子さん 好きなときに描いて寝る 105歳の大往生、好奇心失わず晩年まで創作 (1/2ページ)

 御縁あって、ノーベル生理・医学賞(2015年)を受賞された北里大学特別栄誉教授の大村智先生と先頃お会いしました。コロナウイルスについて、見識あるお話を伺った後、『ストックホルムへの廻り道』というご著書を頂きました。本書を読んで知ったのですが、大村先生は医療だけでなく芸術分野でも貢献、女子美術大学の理事長までされています。さらに、「女性画家の作品を集めた美術館を作ろう」と思い立ち、山梨の実家の隣地に私設で〈韮崎大村美術館〉を2007年に開館。

 その女子美の卒業生であり、大村教授と深い縁のあった女流洋画家の先駆者・入江一子さんが8月10日、老衰のために都内の病院で死去されました。105歳の大往生です。

 僕が入江さんを知ったのは、4年ほど前に見たテレビ番組でした。100歳の女性が、身長より遥かに大きい百号や二百号のキャンバスに絵を描いているお姿に見入ってしまいました。

 小学校1年生の時から絵を始めたという入江さんが、晩年描き続けたのは、シルクロードの風景でした。

 101歳で描いたという大作「回想・四姑娘山(スークーニャンシャン)の青いケシ」は、76歳のとき、チベット高原に咲く幻の青い花を求め標高4300メートルの岩山まで20時間も馬に揺られた思い出を絵にしたといいますから、その体力と記憶力に脱帽です。最後の旅行はモンゴルで、84歳だったそう。

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