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【ドクター和のニッポン臨終図巻】画家・入江一子さん 好きなときに描いて寝る 105歳の大往生、好奇心失わず晩年まで創作 (2/2ページ)

 その後、100歳を過ぎてもずっと絵を描き続けていた入江さんはヘルパーさんを入れながら、一人暮らしを続けていました。ライフスタイルも驚くべきもので、1時間絵を描いては1時間寝るという生活を長年続けておられたのだとか。

 「夜も昼もないです。描きたくなったら描いて、疲れたら休む。ぜいたくな生活ですね。床に就くと、2分で眠りにつけます」とインタビューで答えています。

 よく、「医者から見て、理想の睡眠時間は何時間でしょう?」とか、「長生きするための睡眠方法は?」といった質問を受けます。睡眠に関する医学論文は山ほどありますが結局のところ、「好きなときに寝て起きて、好きなときに食べる」が正解ではないでしょうか。不眠症状を訴える患者さんはたくさんいますが、不眠で死んだ人を見たことがありません。眠れないのなら、読書でも映画でも、好きに過ごせばいい。身体も脳も疲れたら、必ず眠れるものです。

 好奇心を失わず、好きな事に一生懸命。大村先生も入江さんも、その生き方が、アートです。

 ■長尾和宏(ながお・かずひろ) 医学博士。東京医大卒業後、大阪大第二内科入局。1995年、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。外来診療から在宅医療まで「人を診る」総合診療を目指す。この連載が『平成臨終図巻』として単行本化され、好評発売中。関西国際大学客員教授。

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