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【BOOK】第165回芥川賞・李琴峰さん 日本流「世界から隔絶された楽園」 『彼岸花が咲く島』(文藝春秋) (1/2ページ)

 第165回芥川賞は、ドイツ在住の石沢麻依さんの『貝に続く場所にて』と、李琴峰さんの『彼岸花が咲く島』に贈られた。石沢さんは「群像新人文学賞」を受賞したデビュー作で芥川賞を射止めた。李さんは台湾出身で、中国語を母語としながら日本語で小説の発表を続け2回目の候補だった。日本語以外を母語とする作家の受賞は楊逸さん(第139回)以来2人目となる。 本文・竹縄昌

 --おめでとうございます。落ち着きましたか

 「ありがとうございます。受賞で取材関係が続いていましたが、元どおりになりました」

 --今日の衣装は

 「“漢服”といって、韓国のチョゴリや日本の着物に影響を与えた中国の伝統衣装を着やすいようにアレンジしたものです」

 --物語の着想の経緯を教えてください

 「2017年にデンマークのコペンハーゲンに旅行に行ったとき、クリスチャニアという地域がヒッピーの自治区で、EUのような資本主義的経済実態にも属していないと主張しているんです。そういう世界から隔絶された楽園というイメージがすごく面白くて、それが東洋、日本にあったらどんな感じだろうと考えていました」

 「そのうちトマス・モアの『ユートピア』だとか、東洋では陶淵明の『桃源郷』のイメージとも組み合わさって、さらには琉球諸島の伝統文化、与那国島の歴史、伝説を知って、取り入れながらそういう世界観が出来上がったという感じです」

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