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【松浦達也 肉道場入門!】定番から素材と調理をアップデートした、三位一体の「棒々鶏」 中華料理店「汀」 (1/2ページ)

★絶品必食編

 定番はうれしい。そこにあるだけで安心する。一方で定番は、郷愁感頼みという皿も少なくない。それなりにおいしいけれど、それだけを食べに行くほどには惹かれない。

 だからこそ郷愁感を大切にしつつ、新しいおいしさを盛り込んだ料理がメニューにある店を見つけると、舞い上がってしまう。

 江戸川橋と神楽坂と早稲田というトライアングルの真ん中に今年「汀(みぎわ)」(東京都新宿区)という小体な中華料理店がオープンした。

 オーナーシェフは「神楽坂芝蘭(チーラン)」で料理長も務めた江崎祐弥さん。

 伝統的な四川料理店のDNAを受け継ぎながら、味について現代版にアップデートすべき手法は上書きしていく。

 「汀」の棒々鶏はまさにそんな一皿だ。棒々鶏と言えば、蒸し(茹で)鶏にきゅうりの細切りが添えられ、胡麻ベースのタレがかかっている。おいしさに間違いのない一品でありながら、中華料理なのに日本人でさえも郷愁を感じる逸品でもある。

 しかし「汀」は、郷愁だけを頼りにはしない。棒々鶏というなじみ深い料理の郷愁感を残しながら、素材と調理にアップグレードを施した。

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