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【今から始めよう!70代まで働く健康術】暴飲暴食で崩れる腸内細菌バランス 増殖した悪い働きをする細菌が腸外へ移行し、肝臓の病態に悪影響 (1/2ページ)

 近年、非アルコール性脂肪肝や肝がんなどに、腸内細菌が関係するといった研究報告がある。腸内細菌やそれらが生み出す物質が、肝臓に悪影響を及ぼすというのだ。そんな「腸管肝臓関連」の研究で、一昨年、「原発性硬化性胆管炎(PSC)の病態に関与する腸内細菌を発見」という論文発表があった。

 原発性硬化性胆管炎は自己免疫の難病で、胆管に炎症が起こって肝機能を低下させていく。この患者は、潰瘍性大腸炎のような炎症性の腸の病気を合併する頻度が高い。そのため、腸内細菌がPSCに関与しているのではないかと、以前から考えられていた。

 「私たちは、肝臓内の炎症に関わる免疫細胞(TH17細胞)の活性化を引き起こす3種類の腸内細菌が、患者さんの便中に高確率で存在することを発見しました。それらの細菌が、どのように肝臓のTH17細胞を活性化するかもわかってきました」

 こう話すのは、慶應義塾大学医学部内科学教室(消化器)の中本伸宏准教授。米国に留学中から肝臓の免疫に関わる研究に取り組む一方で、腸管-肝臓相関の研究もライフワークとしている。

 「一般的に腸内細菌は腸管のバリアが存在するため腸壁の外へ出ないといわれています。今回、私たちの研究で特定の腸内細菌が腸壁の外へ出て、肝臓の病態に関係することがわかりました」

 中本准教授らがターゲットにした3種類の腸内細菌のうち「クレブシエラ菌」が、大腸上皮に穴を開け、3種類の腸内細菌が外の腸間膜リンパ節へ移行したのだ。リンパ節に移行した3種類の腸内細菌の産生する物質により、肝臓内のTH17細胞が活性化していた。つまり、腸内細菌は、腸外に移行して病気につながるような悪さをすることがあるのだ。

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