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【医療 新世紀】“危ない脂肪肝”発見に役立つ新定義 久留米大・川口巧准教授が提唱 (1/2ページ)

 中性脂肪が肝臓にたまる「脂肪肝」は、健康診断で多くの人に見つかる病気だ。病状が進行しない人もいるが、肝硬変や肝がんに悪化する場合もある。こうした“危ない脂肪肝”を見つけるのに役立つ新たな疾患定義を国際的な専門医のグループが提案した。「代謝異常関連脂肪性肝疾患(MAFLD)」と名付けられ、診断基準の確立に向けた研究が各国で進む。日本からグループに参加した久留米大の川口巧准教授(消化器内科)は「患者の体質に応じたきめ細かい治療につながる」と期待する。

 ▽盲点

 脂肪肝は食べ過ぎや運動不足、お酒の飲み過ぎなどが主な原因と考えられてきた。だが糖尿病や高脂血症などの代謝異常が関わるものも少なくない。脂肪肝に代謝異常が加わると、肝硬変や肝がんに進行しやすくなることが最近の研究で明らかになってきた。

 現在の脂肪肝は飲酒量や肝炎ウイルス感染の有無で分類され、代謝異常の有無は加味されていない。ウイルス性肝炎などがなく、1日の飲酒量がそれほど多くない人は「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」と診断される。

 NAFLDは1980年に提唱された。川口さんは「食べ過ぎや運動不足による脂肪肝の人に食生活改善や運動を促すのに役立った」とこれまでの意義を評価。一方で「肝硬変や肝がんのリスク要因である肥満や糖尿病などの代謝異常が、診断基準に組み込まれていないのが盲点だ」と話す。

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