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【BOOK】「生と死」「現実と夢」この世の図面が相手 「京極夏彦さんのように自身の『ブランド化』模索したい」 第165回直木賞・佐藤究さん『テスカトリポカ』 (1/2ページ)

 第165回直木賞は、初候補の佐藤究さん著『テスカトリポカ』と5回目の候補、澤田瞳子さん著『星落ちて、なお』の2作に贈られた。佐藤さんは本作で今年の第34回山本賞も受賞していて、同じ作品で両賞受賞は史上2人目。今回、初候補と5回目候補で対照的だが、同い年で誕生日が1日違いという奇縁の2作家の受賞だった。 文・竹縄昌

 --今回の受賞を逃すと、次に候補となるのは数年かかると思いました

 「(受賞作が)3年半もかかったのは、大藪春彦賞を受賞した前作『Ank:a mirroring ape』が吉川英治文学新人賞も受賞して、その2冠のハードルを超えるのが生易しくなかったからです。今回の結果を受けて、次作も時間がかかる可能性はあります。ただ、コロナ禍も含め世界情勢も変化が激しいですから、“これからも20年、30年がんばって書き続けます”と簡単に言える状況じゃないですよね」

 --17年前、純文学でデビュー。作品を振り返って

 「頭から書き直したい気もしますが、そうすると、そこにあったはずの何かが失われるんだろうなとは思います。いまはもう出せない、怖いもの知らずの味というか。ロックバンドのファーストアルバムみたいに、下手だけど初期衝動が詰まってますよね」

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