記事詳細

【ここまで進んだ最新治療】「7~8割の患者さんに使用できる」 慢性腎臓病に適応拡大 「フォシーガ」で死亡リスク39%低下 (1/2ページ)

 慢性腎臓病(CKD)は、放置すると徐々に腎機能が低下し、腎不全に至ると透析治療や腎移植が必要になる病気。また、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクが高まる。

 薬物療法では、降圧薬の「レニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬」(ACE阻害薬やARB)が、第1選択薬として中心的役割を果たしてきた。それが国際共同臨床試験によって、RA系阻害薬に糖尿病治療薬(商品名・フォシーガ)を併用すると、さらに強い腎保護作用があることが確認された。この結果を踏まえ、国内では今年8月にフォシーガがCKDの治療薬として適応拡大された。

 この適応拡大は、どれくらい朗報なのか。東京女子医科大学病院・腎臓内科の新田孝作教授が説明する。

 「フォシーガはSGLT2阻害薬という種類の薬で、腎尿細管における糖再吸収を阻害することで尿中への糖排泄を促進させる作用があります。これまでCKDの中でも糖尿病のある患者さん(糖尿病腎症)しか処方できませんでした。それが適応拡大で糖尿病の有無を問わず、IgA腎症や腎硬化症といったCKD全体の7~8割の患者さんに使用できるようになったわけです」

 フォシーガは、2014年に「2型糖尿病」の治療薬として発売され、19年には「1型糖尿病」の適応拡大。そして、糖排泄促進と同時に、尿中への水とナトリウム(塩分)の排泄を促進することで体液量の調節(血圧低下)が可能になるため、20年に「慢性心不全」にも適応拡大された経緯がある。これらの作用に加えてフォシーガには、腎臓で尿を濾過(ろか)する糸球体という部分の内圧を低下させ、腎臓の負担を軽減させると考えられている。

関連ニュース