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【BOOK】漢民族の価値観押しつける「侵略」を警戒せよ 覇権主義・侵略主義の阻止には民主化が必要 評論家・三浦小太郎さん『漢民族が支配する中国の本質』 (3/3ページ)

 --中国と今後、どう向き合うべきでしょうか

 「今の中国との経済交流で『政経分離』といわれますが、根本的な誤りで、こちらの論理にすぎず中国側の論理ではないわけです。長野も中国の市場や労働力をあてにした期待や交流は誤りだと述べています。中国と付き合う際、中国に合わせて言葉を選んだり、妥協したりするのは通じない。相手は、正しいと思うことを主張し、違うと思えば拒絶すべきです。長野の見識は当時の現実を目の当たりにした意見として参考になります」

 ■『漢民族が支配する中国の本質』(ハート出版1540円・税込)

 戦前日本で“チャイナ・ウオッチャー”として活躍し、権藤成卿の農本主義思想に共鳴し、昭和維新運動にも身を投じた長野朗が残した名著『民族戦』『支那の真相』『支那三十年』などを再読する。戦後GHQなどによって没収された著作も多く、経済やサイバーなどあらゆる舞台が戦場になる『超限戦』と「民族戦」の概念や、周辺諸国への軍事的拡大、ジェノサイド(人権弾圧)などの源流を、共産主義というイデオロギーに留まらず、中国や漢民族の生活空間や民衆というミクロの視点から漢民族の本質を剔抉(てっけつ=えぐりだして)している。現代に中国に対する冷静な観察眼を養うための教訓に富んでいる。

 ■三浦小太郎(みうら・こたろう) 評論家。1960年、東京都出身。獨協高校卒。現在、アジア自由民主連帯協議会事務局長。著書に『なぜ秀吉はバテレンを追放したのか』(ハート出版)、『渡辺京二』(言視舎)、『嘘の人権 偽の平和』(高木書房)、『ドストエフスキーの戦争論』(萬書房)など。

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