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【BOOK】恋愛・人生彩る男のこだわり 一流のセンス、海外でも評価 作家・吉田修一さん『ブランド』 (1/3ページ)

 キラリと光るフレーズ、胸にグッと刺さるセンテンス…。芥川賞作家、吉田修一さんが描く「ブランド」の世界に魅せられた。そこへまぶされた恋愛や人生、男のこだわり。なんて、うまいんだろう。 (文・南勇樹/写真・ホンゴユウジ)

 --「広告」を前提とした短編や小説を集めた本はめずらしい

 「僕としても初めてですね。(通常の)小説と比べて、『広告』という制約やルールがあったがゆえの面白さがありました。小説は『自由』なスタンスに立って、何でも書ける、というけれど、逆にそこに『不自由さ』を感じることも多いのです。今回はそういった制約も取っ払って楽しんで書けたというか、余裕がもてました」

 --海外の超有名ブランドなど実際に書いたものが、その後商品化されたケースもある

 「そうですね。偶然でしょうけど。ただ、その他にも、家族構成や地域や間取りなどのコンセプトを示されて『こんな家に住んでいます』というシリーズを書いたことがあるのですが、後に、同じようなコンセプトのCMになっていてビックリしたことがあります。こうしたプロモーションというのは、短期的な瞬発力によるものだと思っていたのですが、実は、何年も練られた上で、長い『流れ』の中で行われていることがわかりました」

 --酒やバーが出てくる話も多い。席のチャージ料ばっかり気にする友人の態度に不快感を覚えた話が面白かった

 「これはホントの話です。そういうヤツがいたんです。(つまらない経験をしたけど)こうやって小説のネタになったので、『モトはとった』かなって(苦笑)」

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