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【BOOK】科学的でない霊現象を受け止める「大切さ」 僧侶と医師の話聞き、除霊の「記録」を決心 作家・奥野修司さん『死者の告白』 (1/3ページ)

 人は死ぬと、肉体から霊魂が抜け出してあの世へいくというのは本当なのだろうか? 途上、この世で生きている他者に憑依した霊魂を慰め、あの世へ送る行為を「除霊」という。震災後の宮城県で、30人を超える死者に憑依された女性の存在を知った大宅賞作家・奥野修司氏が、除霊をテーマに貴重な一冊を上梓した。 (文・たからしげる/写真・久保野永靖)

 

 --本書を執筆した原動力は

 「2012年、仙台で、人が死に逝くときに見る“お迎え現象”を取材していました。そのときに、除霊も取材したらどうかと言われました。これは最初はオカルト的すぎて断りました。それを自分で書こうと思ったのは、いわゆる憑依現象は科学では解析できないけれども、そういう現象があることを認める発言を、信頼できる真言宗の僧侶と精神科の医師のお二人から聞いたからです。憑依されて困っている人がいるのが事実なら、それを受け止めて記録すべきじゃないかと思うようになったのです」

 --曹洞宗通大寺(つうだいじ)の金田諦應(たいおう)住職との出会いについて

 「仙台に、看取り先生といわれた岡部健医師がいました。がんの末期で余命を切られていた彼から、おれの遺書を書いてくれと言われました。お迎え現象など死生学も研究されていて、宗教者とも幅広く交流されていました。金田住職は、そのお一人でした」

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