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【ドクター和のニッポン臨終図巻】ナポレオンズ・パルト小石 奥さまに抱かれたまま静かに…自身の手品のようにピースフルな最期 (1/2ページ)

 『死に顔ピース』という終末期をテーマにした演劇があります。〈劇団ワンツーワークス〉の古城十忍(こじょうしのぶ)氏による作品で、山口県周防大島の在宅医・岡原仁志さんの活動にヒントを得た、感動の物語です。

 岡原医師は、ピエロの扮装をして在宅診療をしたことで有名です。医者が自宅を訪れるだけで怖れを抱いたり、窮屈に感じる人がいます。その溝を埋めるため、どうやって患者さんを安心させ、笑顔になってもらうかを考えることも、在宅医の大切な仕事なのです。

 だから、テレビ番組でナポレオンズの手品芸を見かけるたびに、僕も患者さんにこんなことができらなあと、憧れをもって見ていました。今時の大げさなイリュージョンではなく、昔ながらの手品の数々は、その手の内がすぐにわかってしまうからこそ、笑わせてもくれます。

 そんなナポレオンズのパルト小石(本名・小石至誠)さんが、10月26日に亡くなりました。享年69。死因は肺炎との発表ですが、小石さんは2019年10月に急性リンパ性白血病を発症。20年7月に「寛解」し、退院したものの、その後もさまざまな症状が現れて、入退院を繰り返していたといいます。

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