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【新書のきゅうしょ】広告が脚光を浴びた時代を振り返る 土屋耕一著「コピーライターの発想」(講談社現代新書、1984年) (1/2ページ)

 1980年代は広告が脚光を浴びた時代だった。西武百貨店の「不思議、大好き。」や、サントリーローヤルの「ランボオ あんな男、ちょっといない。」など商品でなく、イメージを重視する表現がもてはやされた。コピーライターの糸井重里がNHKで若者向け番組「YOU」の司会をしたり、CMディレクターの川崎徹が「天才・たけしの元気が出るTV!!」にレギュラー出演したりしていたのも思い出す。広告から文化を論じる雑誌「広告批評」も注目を集めた。

 本書の著者、土屋耕一は糸井や川崎よりひと世代上で80年代は既に大御所的な存在だった。明治製菓の「おれ、ゴリラ。おれ、景品。」や伊勢丹の「こんにちは土曜日くん。」をてがけたコピーライターである。

 70年代から80年代にかけ、テレビを筆頭とするマス広告がいかにパワーを持っていたかわかるのが、著者の解説による化粧品会社キャンペーンの制作進行のくだり。土屋は「組立は、十年ちかいキャリアを積んだあげく、ついに、一種の『式次第』となってしまった観がある」と述べ、次のようにまとめる。

 「(1)まず、一言のキャンペーン・タイトルをつくる。(2)次に、この言葉から、歌謡曲をつくり上げる。(3)いかにも、これから伸びそうなバンド、またはシンガー・ソング・ライターにこの作曲を依頼する。」

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