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【「心不全パンデミック」を防げ】65歳以上の心不全患者が「毎年35万人」 予防には「どんな病態で、どのように悪化し、自分はどの危険度に…」を知ることが重要 (1/2ページ)

 心臓のポンプ機能が低下し、全身に必要とする血液を送り出せない状態となる「心不全」。国内の患者数は推計120万人とされ、今後も爆発的に増えると予測されている。10年前から「心不全パンデミック(大流行)」という言葉を使い警鐘を鳴らしてきた国際医療福祉大学・副大学院長(循環器内科)の下川宏明教授が、心不全の新常識・対策について5回にわたり解説する。

 「心不全」と聞いても、「心臓が悪い」と思うくらいでピンと来ない人は多いはずだ。急性・慢性心不全診療ガイドライン(2021年)では、分かりやすく表現した一般向けの定義として「心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」としている。

 そして心臓が悪くなる原因には、「虚血性心臓病」「心筋症」「弁膜症」「心内膜疾患」「不整脈」「内分泌異常」などがあり、かつてはこれらの心臓病を持っている人が、だんだん悪くなっていって、最終的に心不全に至ると考えられていた。

 ところが近年、急増が懸念されているのは「高齢」が原因で起こるタイプの心不全。特に心臓病がない人でも、高齢になれば心不全が起こりやすくなるのだ。

 「かつての心不全は心臓が収縮する力が低下して起こる『収縮不全』タイプが多かったのですが、最近は心臓の拡がりが悪くなる『拡張不全』タイプが増えています。このタイプは高齢者に多くみられ、年をとることで心臓の筋肉の線維化が進み、心臓の壁が厚くなることで心臓が拡がりにくくなるのです」

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