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【「心不全パンデミック」を防げ】65歳以上の心不全患者が「毎年35万人」 予防には「どんな病態で、どのように悪化し、自分はどの危険度に…」を知ることが重要 (2/2ページ)

 下川教授らが、東北地方の24基幹病院の1万人以上の患者を対象に行った2回の大規模調査では、2000~04年調査はすべての心不全のうち拡張不全タイプが占める割合は約50%だったが、06~10年調査では約70%に跳ね上がっている。

 加齢に伴う心不全患者の増加は、米国「フラミンガム研究」やオランダ「ロッテルダム研究」などの海外の疫学研究でも明らかにされている。これらのデータに照らし合わせてみると、日本の65歳以上の人口における心不全患者の推移は、今後は「毎年約35万人」の新規患者が出現すると推定されている。

 とはいっても、打つ手がないわけではない。

 「心不全は多くの場合、予防することができます。ただし、それには心不全とはどんな病態で、どのように悪化していくのかを理解し、自分はどの危険度にいるのかを知っておくことが重要です」

 心不全は、予備群から急性心不全の発症に進行させないことが肝心になる。引き続きポイントを解説してもらう。(取材・新井貴)

 ■下川宏明(しもかわ・ひろあき) 1979年九州大学医学部卒。米国留学(Mayo Clinic)を経て、91年九州大学循環器内科助手。同講師、同助教授ののち、2005年から東北大学医学系研究科循環器内科学教授。20年、国際医療福祉大学副大学院長・教授。12年から「心不全パンデミック」の警鐘を鳴らし続けている第一人者。

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