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【BOOK】最強兵器を作れば戦いは起きないのか 穴太衆と国友衆、戦国時代の矛盾 作家・今村翔吾さん『塞王の楯』 (1/3ページ)

 デビューわずか4年、歴史・時代小説にセンセーションを巻き起こしている今村翔吾さん。新作のテーマは戦国時代の「矛(鉄砲)」と「楯(石垣)」の最強対決。そして、戦を生業としつつ泰平の世を願う「矛楯(むじゅん)」だ。やっぱり、ひと味違うな。

文・南勇樹 写真・山口真由子

 --関ケ原の戦い(1600年)の前哨戦「大津城の戦い」が舞台

 「たぶんウチだけでしょうけど、僕が子供のころから晩御飯を食べつつ、家族で『どうなっていたら(関ケ原で)西軍は勝てたのだろう?』なんて、よく話し合っていたのです。話題に上ったひとつが大津城の戦いでした」

 --もし、大津城の戦いがもっと早くカタがついて、西軍の立花宗茂が関ケ原に間に合っていたら結果は違っていた

 「そうですね。もしも、(大津城主の)京極高次が東軍に寝返らねば、宗茂の1万5000が間に合えば…いろんな条件が違ってきて西軍が優勢になっていた可能性が高い。そういう意味で大津城の戦いは、関ケ原のキャスチングボートを握っていたと言えます」

 --ただし、物語の主役は、ともに近江(現滋賀県)が本拠の石垣作りの穴太(あのう)衆と鉄砲の国友(くにとも)衆

 「穴太(大津市)を歩いてみると、今でも街中の屋敷などに立派な石垣が大量に残っていることが分かります。国友は現在の長浜市あたりが本拠。実は、滋賀県は『歴史の宝庫』なんですよ。京都の隣だし、関東との権力の往来の場にもなりましたからね」

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