MENU

RANKING

モバZAKのご案内

iモード、EZweb、Yahoo!ケータイで大好評配信中

ぴいぷるホーム > ぴいぷる > 詳細

宮本茂

時代とのバランス保つ冒険家(11/28)

 みやもと・しげる 1952年11月16日生まれ、55歳。京都府出身。金沢美術工芸大卒後、デザイナーとして任天堂に入社。81年、山内溥社長(当時)の指示で、ほぼ1人で作ったアーケードゲーム「ドンキーコング」が大ヒット。このメーンキャラクターが「マリオ」だった。以後、任天堂ゲームソフト制作の中心人物として現在に至る。2002年、代表取締役専務兼情報開発本部長に就任。06年、フランスのレジオン・ドヌール勲章(芸術文芸勲章)「シュバリエ章」を受章。ポール・マッカートニーやマイケル・ジャクソンら世界の有名人にもファンが多い。昨年5月、Wiiのお披露目イベントでスティーブン・スピルバーグ監督とWiiでテニスをプレーし大きな話題になった。
宮本茂

【“売り続けて”30年】

 やあ、ボクはマリオ。世界で一番有名な配管工だ。もちろんキミたち、ボクの名前と“冒険家”としての活躍ぶりはよく知ってるよね。

 今日は、ボクの父さんを紹介しよう。写真でヘンテコなポーズをとっているのがボクの父さん、宮本茂だ。

 任天堂という会社で働いているんだけど、「専務」という肩書よりも「コンピューターゲームの父」という呼び名のほうが有名だね。

 父さんは、ボクを誕生させてくれた後も、数え切れないほどのゲームを作り続け、とんでもない子だくさんの父親になったんだ。ちょっと前にも、ニンテンドーDSっていう機械の中で飼う子犬たちをつくってね、「あれは、孝行息子たちだ」って喜んでたよ。

 ボクが最初に活躍したのは「ファミコン」って機械の中だったけど、それを皮切りにボクと父さんは二人三脚で大活躍してきた。ボクの活躍は言うまでもないけど、父さんも捨てたもんじゃない。フランスって国からは勲章をもらうし、アメリカのTIMEって雑誌は「今年(2007年)世界に最も影響力のある100人」の9番目に父さんをランクした。あのスティーブ・ジョブズより上だったんだぜ。

【遊び方を変えた!】

 でも、TIMEって先見の明があるね。予想通り父さんは今年、Wiiという機械を使って世界の人たちの遊び方を変えたんだ。「すごいね」って父さんに言ったら、「父さんが変えたんじゃない。任天堂の力だよ」とほほえんでいた。こう見えて父さん、けっこう会社人間なんだ。

 これまでもヒットを連発してきた父さんだけど、DSとWiiの大ヒットは格別だったみたいだ。「いままでゲームをやらなかった大人たちまでDSやWiiで遊んでくれるようになったんだ。ファミコンがブームになったころを思い出すなあ」なんて喜んでたからね。

 大人たちの中には、ゲームは良くないものと決めつける人たちがいる。そのことにボクはすっごく腹を立てているんだけど、ゲームクリエーターの“第1世代”と言われる父さんは、発言にも責任が伴う。ボクには何も相談してくれなかったけど、父さんなりにどう落とし前をつけるか、悩んでたようだよ。

【子供のような55歳】

 でも、Wiiのヒットがその悩みを少し解消してくれたみたいだ。「銃を使うゲームが一番売れているアメリカで、スポーツゲームのWiiSportsがヒットしたんだ。暴力的な要素が全然なくても楽しいゲームはいっぱいある、ということを1人でも多くの人たちが実感してくれれば、ゲームに対する考え方は変わる。父さんは、そんな楽しいゲームを作り続けていくよ」。そう語ったときの父さんはカッコよかったなあ。

 父さんがゲームに求めるのは「楽しさ」だけじゃない。もう30年近くゲーム開発を続けているのに、いまだに「人がビックリするような、新しいものを作りたい」と言うんだ。ボクの冒険好きは、父さんの血をひいたのかもしれないね。

 そんな父さんが「こりゃ、みんなビックリするぞー」といってボクに見せてくれたのが、12月1日に出る「Wii Fit(フィット)」というフィットネス・ゲーム。写真で父さんが乗っている「バランスWiiボード」と一緒に8800円で売られるソフトなんだけど、これで自分の重心やBMI、運動能力を測ったり、トレーニング用のゲームもできるんだ。

 父さんが写真でやっているのはヨガの「立ち木のポーズ」。テレビ画面に映るインストラクターの動きに合わせて姿勢をとるんだけど、これだけで汗が噴き出すほどの運動になる。実際、父さんはこのゲームのテストを繰り返すうちに、ずいぶんやせて健康になったらしいよ。

 「Wiiは家のリビングに置かれるものだから、もっとゲーム以外のことにも活用したいんだ。ブロードバンドにもつながるから、楽しみ方はいっぱいあるぞ」って父さんははしゃいでた。もう55歳なのに、子供みたいだよね。でも、こんな父さんが先頭に立って作っているから任天堂のゲームはいつまでも面白いんだと思うよ。

ペン・佐々木浩二
カメラ・鈴木健児