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【風間俊介】朝ドラ「純と愛」もう1人の主人公、追い求めるのは“十人十色”

2012.10.19

 かつて日本人は、ヒーローに7つの顔や姿を求めた。多羅尾伴内、七色仮面、レインボーマンなど、いずれも「7」がキーワード。しかし−。

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 追い求めるのは「十人十色」。それが好きな言葉である。

 「世界の人すべてに面白いと感じる作品をつくるのは、絶対に不可能。だって、大勢が面白いと感じるエンターテインメントでも、嫌いな人はいる。だから、やりがいがあるんですね。10種類の個性を発揮できて、それを演じられたら、とてもすごいことになる」

 10月からスタートしたNHK朝の連続テレビ小説「純と愛」。役どころは「もう1人の主人公」。ヒロインの相手役だけではなく、人の本性や裏の顔が見える特殊な力を持つ。

 「もし、自分がそういう力をもっていたらどうだろう、ということを考えました。ちょっと気持ちが悪くて、でもピュアな面が見え隠れする、というのが、自分で出した結論。これまでのヒロインの相手像と違うから、結構なパンチ力がある。ドラマの最初の部分では、誰が見てもストーカーですけど」

 一度観ると次が気になって仕方がない。その理由は、視聴者に次の展開を読ませない、予測不可能にするのが今回の朝ドラの大きなテーマだからという。

 「実は、スタッフに意外な共通点がありました。ぼくを含めて皆さん、映画のバック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズの大ファン。過去と未来を行き来しながら、自分のやっていることの裏側を見るのが面白い。『2』を観るとまた、『1』が観たくなるでしょう」

 ごもっともな説明にうなずきながらも気になったのが、今回も含めてこれまで演じてきたのが暗い役どころだということ。難しい人物を演じることで力をつけてきたとも言えるが…。

 「暗い性格の役、というより、印象的な役が多かった。周りでは、そんな(暗い)イメージがつくことを心配する人がたくさんいます。だけど、俺にしてみれば、ありがたくて仕方がない。イメージがつくのって結構じゃないですか。この仕事、印象に残らない役はつまらない」

 「朝ドラへ出していただいて、いいことだらけですよ。毎朝、『観た』って多くの人にいってもらえる。俳優って、いい仕事でしょう。普通は、物をつくっても、お客さんへ納品して終わり。でも、ドラマや映画は、鑑賞するものをつくっているわけだから、完結がない。働いている姿を親や祖母に観てもらえるのもうれしい。いい仕事に就いたと心から思う」

 プライベートでは、1人でいることがお好みのようだ。いろいろなこだわりを持っていそうだが、意外にも一点豪華主義らしい。

 「眼鏡だけはこだわっています。仕事では裸眼ですけど、視力があまりよくないので普段は眼鏡をかけています。昔、テレビのCMで、眼鏡は顔の一部ですというのがありました。それがずっと印象に残っている。眼鏡は顔にかけるものだから、絶対に妥協はしない。数を持つことより、高価なものを使い続けるのがこだわりです」

 約1時間の取材。最初は普通の青年という印象だったが、次第に話に引き込まれる。言葉ではいえない魅力がある。監督やプロデューサーが起用したくなるのも当然か。新しいヒーローの姿を感じる。

 「ぼくが思う格好いい男は、ちょっとくたびれてきた40、50代。そこが勝負。それまでの仕事は、いい男になるためのステップだと20代最後の年になって改めて思う。ぼくが目標を立てないことを目標にしているのは、目標を持つと道が決まってしまうからなんです」

 だからこその、十人十色。結論は早くて、10年後に出る。(ペン・やなぎ喬   カメラ・鈴木健児)

 ■かざま・しゅんすけ 1983年6月17日生まれ、29歳。東京都墨田区出身。オーディションに合格し、ジャニーズ事務所入り。さまざまなステージに出演した後、99年に「3年B組金八先生」第5シリーズに出演して人気に。2011年のドラマ「それでも、生きていく」で日本放送映画芸術大賞・優秀助演男優賞を受賞。今月1日からスタートしたNHK総合「純と愛」では、待田愛(いとし)役を好演中。趣味は読書。好きな場所は神社。「足を運んだ所の神様に『頑張っています。よろしくお願いします』と参拝する」のが流儀という。

 

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