高いアナウンス技術から看板番組のキャスターを務め、幅広い年齢層から支持を受けてきたが、1年前に京都放送局へ異動。仕事内容や生活環境が変わるなか、全国から届く“あさひロス”を嘆く手紙に励まされた。
「京都に来た時間が私の人生、さらに放送を豊かにすることにもつながる、と気付かせていただきました。視聴者の方とつながっているような感覚を感じ、がんばってきてよかったと」
名所旧跡が数多く残る京都。インドア派の自分に活を入れ、ガイドツアーにも参加。新たな発見もあった。
「人名や年号を覚える学校の歴史は苦手意識が強かったのですが、中身をよく知れば歴史は楽しいと気付きました。私がいうのもおこがましいですが、今、歴史を知ることにどういう意味があるのか。みなさんと一緒に考え、共有できるよう、案内役として誘っていきたいです」
課題は、スタッフから指摘される真顔。報道キャスター時代に培ったものだが、番組ではタイトルコールとともに行う決めポーズで自分を表現していく。
「今はシリアス、謎めき、元気なキャビンアテンダント風の3パターン。同じ回でも、内容や伝えたい年代も変わるので、あと10パターンぐらいは増やしたい。私の表情が変わる瞬間に注目です」
タレントでデザイナーの篠原ともえが手掛ける華やかな衣装も表情を豊かにするアイテム。
「初回の衣装は、着物をあしらった戦国っぽい色合いと雰囲気。赤の半袖シャツは自前で、篠原さんにアレンジしてもらいました。髪飾りなど小物にもこだわりが多く、毎回楽しんでいただけます。『シノラー世代』だった私も楽しんでいます」と自然に笑みがこぼれる。その自然体こそ、目標へ近づくキーワードだ。