■3歳からマイク
“ご当地ソングの女王”の24曲目は『越後水原(すいばら)』。新潟県阿賀野市にある白鳥の飛来地の瓢湖(ひょうこ)を舞台に女心を切なく歌い上げる。
「最初に歌詞を読んだときに、その世界観、情景が頭にスッと浮かんだんです。そういう歌はいいんです。曲のなかに物語がきれいに流れていますから」
オリコン週間シングルチャート初登場で5位(演歌部門1位)となり、これで13曲連続ベスト10入り。自身が持つ女性演歌歌手歴代1位の自己記録を更新した。
3歳のころから、チビっ子のど自慢系番組に多数出演していた。
「家族全員が歌好きだったんです。まだカラオケボックスのない時代でしたから、近所のカラオケスナックには、近所のおじちゃん、おばちゃんが常に集まっていて。そこで演歌を歌うと喜んでくれて、ホメてくれて、それがうれしかった」
小、中、高校時代も、のど自慢番組では好成績を残すが、プロ歌手になろうという気持ちはなかった。
「19歳のときにアメリカ留学中のクリスマスパーティーで、ホストファミリーの前で『赤鼻のトナカイ』を日本語で歌ったんです。そうしたら、涙を流して感動してくれて。歌手っていう仕事はすごいと思ったんです」
帰国後、偶然「山川豊の妹分コンテスト」の募集を目にする。グランプリを獲得すれば歌手デビューのキッカケとなる。
「でも、グランプリにはなれなくて。ただ、そのときに長良(じゅん)会長(故人、享年74)から、『いつデビューできるか分からないけど、うちでレッスンしてみませんか?』とスカウトされたんです」