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将棋アプリの技術でAI関連市場狙う 「HEROZ」

 本日は、テクノロジーベンチャーのHEROZをピックアップする。世界で初めて、将棋AIが名人に勝利するという偉業を成し遂げた同社であるが、その実態を2018年4月期の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対する純資産の割合は86%と非常に高い。前の期はわずか20%と脆弱(ぜいじゃく)な財務体質だったが、新規上場に伴う株式発行で資本が増強され、安全性の懸念は払拭された。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。営業利益率30・6%、純利益率21・5%と、収益力はかなり高い。現在の同社の収益の柱はAI機能を搭載した将棋アプリ「将棋ウォーズ」だ。

 しかし、単なるゲームアプリ会社に留まらないポテンシャルを秘めている。将棋のAI開発で蓄積した技術を活用し、企業向けにAI関連サービスを提供している。幅広い業種の様々な課題を、AI技術を使って解決するという。

 最後に、キャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。本業でのキャッシュの稼ぎを示す営業C/Fがプラスであり、新株発行により財務C/Fも大幅プラスで、キャッシュ面での懸念はない。

 AI関連市場は今後拡大することは必至だが、成長市場なだけに大企業もこぞってこの市場に参入している。いかに優秀なAI人材を確保し、技術を高めていくかが成長の鍵となるだろう。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

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