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増加する保育需要に大きな期待 「テノ・ホールディングス」

 本日は、保育施設運営のテノ・ホールディングスをピックアップする。9月20日に上場予定の同社であるが、その実態を2018年6月中間期(2018年1月~6月)の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対する純資産の割合は、わずか12・7%と非常に低い。多額の負債に依存した財務体質となっている。しかしながら、新規上場に伴う株式発行で約15億円の純資産が加わることが予定されている。これにより標準的な割合の30%は上回りそうなので、安全性の懸念は軽減されるだろう。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。営業利益率2・2%、純利益率1・2%と収益力は低い。自治体からの運営費や補助金、利用者からの保育料が同社の売上である。この売り上げ高から、保育士の給料や施設費、給食費などが賄われている。保育ビジネスは収益確保が難しいと言われているが、もう少し収益力を高めたいところだろう。

 最後に、キャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。本業でのキャッシュの稼ぎを示す営業C/Fがプラスであり、その範囲内で新規施設を増やすなどの投資を行っている。

 待機児童はまだまだ解消されておらず、共働き世帯の増加により、今後ますます保育需要は増えるだろう。社会問題に取り組む同社の今後に期待したい。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

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