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「バブル」生成に限界…2019年は“崩壊元年”に!?

 お隣の中国では、経済が変調をきたしてきたらしい。かの国のバブル崩壊は10年前から囁かれてきたが、一向に現実化しなかった。なぜなら、政府が必死でバブル崩壊を食い止めてきたからだ。傍から見ても中国のバブルは膨らみに膨らんでいる。

 例えば、不動産業界ではこんなことが言われている。

 「北京や上海の都心でマンションを1戸売れば、東京でビルが一棟買える」

 確かにその通りだろう。中国では築10年程度のマンションの1住戸が、一等地にあれば3億円くらいするそうだ。それを売れば東京で小さなビルが1棟買える。

 中国ではマンション1戸の価格が、一般的なサラリーマンの年収の30倍とも50倍とも言われる。香港の一等地なら100倍に達したとか…。

 日本でも、東京都区部において2018年前期に供給された新築マンションの平均価格は7059万円(不動産経済研究所)。一方、国税庁が発表している給与所得者の年間平均給与は平成29(2017)年で432万円。東京都区部の新築マンション価格は、この16・3倍になる。

 現状、住宅ローンは年収の7倍くらいまでなら融資が可能だ。ただ、16倍は無理だろう。だから、普通の人は自分の収入だけで東京23区の新築マンションは買えない。

 現在、大都市圏で新築マンションを開発しているデベロッパーは財閥系や金融系、鉄道系などの大手企業が中心である。物件の開発分譲を専業としているデベロッパーは少数派になっているが、こちらもリーマン・ショック後の不況を生き残った面々。企業規模もそれなりである。

 そういう企業本体や親会社が株式を上場していると、毎年業績の目標というものがある。その目標を達成するためには、一定数のマンションを開発して販売しなければならない。だから、多少仕入れ値が高くても、目標達成のために土地を買っていく。

 そのメカニズムが働いて、13年頃から都心エリアの土地の値段が上がった。結果、新築マンションの価格が高騰。中古もそれにつられて価格が上昇。これを一部の富裕層が購入したことにより、バブルの生成に一役買った。ただし、彼らの多くは値上がり益目的で購入していた。

 つまり、今の局地バブルは需要が膨らんだことが原因ではない。だから、高くなったマンションの多くは新築、中古とも売れていない。竣工しても売れない新築は、こっそりと値引きが行われている。あるいは関係企業に無理やり買わせる。

 そろそろこの不健全な市場の維持も限界に来ている様子がみえてきた。都心でも城南エリアでも、新築マンションの完成在庫が目立ってきた。あるいは高値に挑戦したが、市場の反応が薄すぎて販売価格を切り下げる動きも目立つ。

 どうやら19年はバブル崩壊の元年になりそうな空気である。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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