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翻訳機「ポケトーク」が大成功! ミッションは「言葉の壁をなくす」 ソースネクスト・松田憲幸社長 (1/2ページ)

★ソースネクスト・松田憲幸社長(53)

 起業で成功するのは簡単ではないが、ヒットする製品を次々と世に送り出すことはもっと難しい。パソコンのソフトウエアで知られてきた会社がハードウエアの分野に進出し、翻訳機「ポケトーク」を大成功させた。「言葉の壁をなくす」とのミッションを掲げる社長は、みずから米シリコンバレーに移り住んだことで、新たな道を切り開いた。(中田達也)

 --タレントの明石家さんま(63)をポケトークのCMに起用しています

 「翻訳機というジャンルは絶対に大きくなると思いましたので、『翻訳機=ポケトーク』となるようなインパクトを持ってもらうには、誰もが知っていて好感度の高い人がいいと思いました」

 --個人だけでなく、小売店など法人の需要も強いそうですね

 「個人の方からは、旅先でより感動があったとか、現地の人と話すことができたといった声をいただきます。ビジネスの場合、ポケトークの価格以上に儲かればいいという分かりやすさがありますね。プロ野球の外国人選手も、通訳を入れたくない会話の際にロッカールームで使っていただいているそうです」

 --簡単に使えるのも人気の理由だとか

 「SIMカードを別に契約する必要もなく、インターネットの接続を特に意識することもありません。普通の商品と同じように、箱から出してすぐ使っていただけるというのは、通信デバイスではなかったことだと思います」

 --2020年までの販売目標を50万台から100万台に上方修正しました

 「訪日外国人の数がどんどん増えていますので、ビジネス上、話ができないと困る人が増えていますが、英語や中国語などの外国語をマスターするのは簡単ではありません。東京五輪の影響もかなり大きいですね」

 --昨年10月のシェアは97・5%と圧倒的です

 「翻訳機はこれまでもなかったわけではないんですが、大量生産して店頭にたくさん並べることが難しかったようです。われわれはこれまでソフトウエアを販売してきたお付き合いがあったので、量販店の店頭に商品を並べることができました。一定以上の販売力によって価格を2万円台に抑えたことが大きなシェアにつながったと考えています」

 --ポケトークは今後も進化していきますか

 「翻訳の精度やスピードはディープラーニング(深層学習)でどんどん賢く速くなっていきます。世界的な旅行者の数は13億人といわれていますが、毎年増え続けています。異なった言語を話す機会が増えますが、人間が言語を学習するスピードより翻訳機の進化の方が速いので、使い勝手はどんどんよくなりますね」

 --翻訳以外の使い方は

 「外国語学習の用途ですね。外国語で話したい文章を一発回答できるという意味で、ポケトークほど正確なものはありません。教育面でもどんどん利用される可能性が高いと思います」

 --スマートフォンの翻訳アプリとの競合は

 「世の中のものはみんなスマートフォンに集約されるとおっしゃる方もいますが、スマホは時計や電卓など、たくさんの機能を吸収しているだけに使いづらい面があるのも事実だと思います。翻訳もスマホでできることも多いですが、スピーカーやマイクが十分なのか、他人に翻訳された文字の画面を示す際に、プライベートな情報を見られる恐れはないのかといった問題があります」

 --ソフトウエアの会社からハードウエアも手がけて成功したのは、シリコンバレーに住居を移したことも大きかった?

 「シリコンバレーにいるとさまざまな人に会う機会が多く、テクノロジーの“上流”にいることで、いろんなテクノロジーを持っている人に会うことも増えます。もしシリコンバレーにいなければ、現在のような製品をここまで早く出すことはできなかったと思います」

 ■運命変えた1本の電話

 【関西】若いころから起業を考えていたわけではなく、「サラリーマンで一生を終わろうと思っていました」。

 実家が株好きだったこともあり、小さい頃から会社四季報を小さいころから読んでいたという。経営者の資質について「強いていえば、関西に住んでいたということでしょうか。子供の頃からカネ勘定の話をやたらとしていましたね。関西は関東よりも人口比で倍の人がIPO(新規株式公開)をしています」。

 【電話】日本アイ・ビー・エムに勤務当時、運命を変えたのは1本の電話だった。「たまたま先輩にかかってきたヘッドハンティングの電話を取ったのをきっかけに、外資系企業のオファーが来ました。社員を雇うことになったのですが、自分で給料を決められないことが分かったので、1人で会社をつくりました。そして製品がないと大きくなれないと気付き、いまのソースネクストを設立しました」

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