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今までの豆腐にはできなかった「削る」「溶かす」 相模屋食料「BEYOND TOFU」

 伝統食品「豆腐」で、次々にイノベーションを巻き起こしている企業がある。1951年創業、群馬県前橋市の「相模屋食料」だ。年商200憶円を超え、業界トップ。多い日には出荷数が20万パックを超える「焼いておいしい絹厚揚げ」、ガンダムとコラボした「ザクとうふ」などでインパクトを与え続けている。

 2018年3月に発売された「BEYOND TOFU」は発酵技術を取り入れ、チーズのような食感・質感が特徴。削る、溶かすという、今までの豆腐にはできない調理もできる。削ってパスタにかけたり、ピザにのせて焼いてとけると、まさにチーズ。それでいながら乳製品は使用せず、原料は100%植物性なので、「ヘルシー!」と人気。「当初予想の2倍の売れ行き」(広報部、片岡玲子氏)だ。

 同社の鳥越淳司社長は、「豆乳をにがりで固めたものが豆腐で、牛乳を発酵させて固めたものがチーズ。植物性か動物性かの違いで、同じようなものだと以前から思い続けていた」という。とはいえ、開発にあたっては硬さや味、風味とのバランス、削った時の感じや熱した時のとろける感など、トータルで実現するのが大変だった。ひたすら試作を重ね、地道に調整を行い、完成まで3年かかった。

 従来の豆腐の製造機械とはまったく異なる管理が必要になり、製造ラインを完全に分離させた環境の整備も行った。

 豆腐の歴史は古く、一説には紀元前2世紀に中国で考案されたとされる。日本には奈良時代に入り、室町時代には日本中に広まった。そんな伝統食品だから、「これ以上変わらない、やり尽くした」という感じがあった。ターゲット層もなく、老若男女一般に向けて発売するものだった。

 この成熟市場に対し、同社は「基本の豆腐作りにこだわりながら新しい価値観を付加した豆腐の開発に取り組んできた」(鳥越氏)。

 鳥越氏が着目したのは、トレンドに敏感でヘルシー感度の高い若い女性。豆腐はダイエットのために我慢して食べるもの、と考えている女性もいたからだ。そこで、14年発売の「ナチュラルとうふ」シリーズは豆腐を「おいしい食品」として提案した。そしてBEYOND TOFUは、「植物性100%ながらおいしいというシリーズの魅力に、発酵という機能性を加えた」。

 同社は15年から、日本最大の女性向けファッションイベント「東京ガールズコレクション」に出展。若い女性に豆腐を提案し続けている。BEYOND TOFUはその最新作として発表され、ファッション、美容、健康感度の高い女性たちが注目。来場者が次々と情報発信し、口コミから広まった。(村上信夫)

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