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【バフェットの次を行く投資術】加点評価システムで熟成「オリックス」 経営陣が下す“撤退の判断”も重要

 オリックス(8591)は1964年にリース会社として創業したが、現在リースビジネスは全体の2割程度にしかすぎず、事業投資などが主たるビジネスだ。

 同社の事業投資は、83年、船舶不況の時に約70隻の船のリース先が全て倒産し、融資(リース)資金の回収を行うために全隻を引き取り、自社で運行を始めたことが起源だ。担保権を実行して売却しても、市況が悪い時には二束三文にしかならない。この経験を生かし、航空機も不動産も手がけているうちに事業再生のノウハウが蓄積され、他の領域でも生かされるようになったというわけだ。

 このように、金融機関でありながらも、アイデアに富み積極果敢な精神は「減点は行わず、加点評価する」というシステムによって熟成されたと考える。

 関西がルーツの企業であり、「やってみなはれ」精神が基盤にある。きちんとそろばんをはじきながらも、必要とあらば「清水の舞台から飛び降りることも辞さない」。ただし、飛び降りる前に舞台の高さを計測したり、シミュレーションを繰り返しているのだ。

 原則月3回実施している「投・融資等委員会」で、個別の案件を審議している。小額の細かな案件も役員・幹部レベルで議論しているのが大きな特徴だ。それぞれの本部に決裁権限があるのではなく、会社全体を俯瞰(ふかん)しながら投資先を選定するので、バランスが良くなる。

 さらに重要なのは、経営陣が「撤退の判断」を下すことだ。事業を行っている当事者は、事業への思い入れがあり、かつ撤退後の自分の評価・立場も心配だから「継続」の判断を行いがちである。

 しかし、役員・幹部が大局的立場で判断するのであれば、不良案件(事業)が会社全体の足を引っ張る可能性も非常に少なくなる。

 この点も、バフェット(とマンガー)が最終判断を行うバークシャー・ハサウェイのスタイルに近いといえるだろう。なお、発案自体は現場主体で行われる。(人間経済科学研究所、国際投資アナリスト・大原浩)=敬称略

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