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ソフトバンク「155億円」の赤字転落 孫正義会長も認めた「倒産危機」 専門家「出資先の新興企業に悪材料が続けば危うい」

 策士策におぼれたのか。投資の失敗が響き、9月中間連結決算で155億円の営業赤字(前年同期は1兆4207億円の黒字)に転落したソフトバンクグループ。強気でならす孫正義会長兼社長(62)が、市場で流れる「倒産説」を「ある意味で正しい」と認めるほどだから、非常事態だといえる。

 「『ソフトバンクはもう倒産するのではないか』という報道があった。市場がそのように見ているなら、ある意味では正しいと思う」

 孫氏は6日の決算会見でこう述べた。携帯電話事業を切り離し、投資に特化しているソフトバンクグループは10兆円規模のファンドを通じて「ユニコーン」と呼ばれる海外の有力新興企業に投資し、収益を上げてきた。

 ところが今回は出資先の共有オフィス「ウィーワーク」運営の米ウィーカンパニーが経営難となり、ファンド事業で約5700億円の損失を計上した。さらに同社に総額約1兆円の支援を計画しており、再建が難航すれば損失が膨らむ恐れもある。孫氏は「私の投資判断がまずかったと大いに反省している」と失敗を認めた。

 経済誌「経済界」編集局長の関慎夫氏は「ソフトバンクグループのビジネスのあり方から考えれば驚きはない。ファンドを立ち上げて投資すればリスクは付きまとうものだ。これまで投資で失敗しても事業で補うことができたが、投資規模が大きくなりすぎたことが要因だろう」と分析する。

 主要な投資先では配車大手の米ウーバーテクノロジーズも赤字が続いているほか、「政治リスク」も懸念材料となっている。第1号ファンドにはサウジアラビアの政府系ファンドが出資したことが波紋を広げた。動画アプリ「TikTok(ティックトック)」を運営する中国企業にも出資しているが、米議会では中国政府の関与を理由に同社の調査を求める動きも出ている。

 前出の関氏は「孫社長はIT業界が必ず伸びるという確信を持っている。そのため、現段階でグループの危機とまではいかないが、投資先になっている新興企業に次々と悪材料が出れば危うくなることもあるだろう」と分析した。

 2号ファンドには、日本のメガバンクや証券会社、生保なども出資している。孫氏の目利きが狂えば、日本経済全体にショックを与えかねない。

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