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〈理解編〉社会とシニア(6) 家族との関係「老老介護・8050問題」

 「長寿化社会」は家族の関係に変化を生んでいるようだ。なかでも注目したいのは、シニアが働く理由に「老老介護」や「8050問題」が絡んでいるということだ。

 ■老老介護の増加

 2016年の国民生活基礎調査によれば、介護が必要な65歳以上の高齢者を65歳以上の人が介護する、いわゆる「老老介護」の世帯の割合が54・7%に達し、さらに75歳以上同士の世帯が30・2%と初めて3割を超えたという。高齢化が進んだ上に、世代をまたぐ同居が減った結果とみられている。

 当欄が以前開いたシニア懇談会に出席した76歳の男性は、「運よく再就職できたので健康ならずっと働きたいと思っていますが、今は『老老介護』状態で、不安はあります」と話していた。また71歳の男性は、要介護となった緑内障の妻を介護しているが、仕事と介護のバランスを見ながら日々、老老介護を実践しているという。

 昨今の傾向としては、「男性介護者(妻を介護する夫、親を介護する息子)」の増加も挙げられており、介護に加え、家事の困難さを訴える人も多い。

 高齢者同士の介護、高齢になってからの慣れない家事など、高齢男性を取り巻く環境は厳しいものになっている。

 ■子世代との問題

 子世代との「8050問題」も、ここ数年表面化している。80代の親が50代の子ども(ひきこもり)の生活を支えていることを指すが、長期化していることが多く、親の高齢化、子の中高年化が浮き彫りになってきている。

 80~90年代に、若者の問題とされていた“ひきこもり”は約30年がたち、その若者が40代~50代、親世代が70代~80代となった。外部に支援を求めることなく社会的に孤立し、生活が立ち行かなくなる深刻なケースが目立ちはじめている。

 昨年、内閣府は40歳~64歳までの中高年のひきこもりが推計で61万人に上り、若年層(15歳~39歳まで)の54万人よりも多いことを明らかにした。ますます高齢化する親世代の年金や「シニア就労」に、子世代が“パラサイト(寄生)”する傾向すら見えてくる。

 家庭内の実態はなかなか外部には伝わりにくい。今後も増えていくこの種の問題は、誰にでも起こりうる。こうした事態が拡大しないよう、行政や民間によるいっそうのサポート体制が望まれる。(「オレンジ世代」取材班)

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