【サラリーマンサバイバル術】コロナの休業を有給休暇の消化に充てられた… 年次有給休暇の時季指定には労働者の意見聴取が必要 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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コロナの休業を有給休暇の消化に充てられた… 年次有給休暇の時季指定には労働者の意見聴取が必要

 【Q】 新型コロナウイルスで、6月まで工場が停止になり、従業員は休業になっていました。7月に出勤したときに上司から「全員の有給休暇10日分を休業期間に充てる」と言われました。どうやら、有給休暇の取得率が低く、この機に改善したいそうです。子供が病気になったときに有給が足りなくならないか心配ですが、上司は会社が休暇日を指定できるはずだと言っています。 (40代・女性)

 【A】 2019年4月に労働基準法が改正され、使用者は、法定の年次有給休暇付与日数が10日以上のすべての労働者に対し、毎年5日間、年次有給休暇を確実に取得させなければなりません。

 年次有給休暇は「半年間継続して雇われている」「全労働日の8割以上を出勤している」の2点を満たしていれば、すべての労働者に付与されます。年次有給休暇は法律で定められた労働者の権利と言えます。ただ、日本の取得率は諸外国と比較して非常に低いこともあり、働き方改革の一環として労働者の権利行使を促進するため、「使用者による時季指定」が義務付けられたという経緯があります。

 ですが、企業が年次有給休暇を勝手に取得させてよいわけではありません。年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に、5日間について、使用者は「労働者自らの請求」「計画年休」、および「使用者による時季指定」のいずれかの方法で年次有給休暇を取得させなければなりません。

 また、使用者は取得する時季の指定に当たって、労働者の意見を聴取し、その意見を尊重するよう努めなければなりません。加えて、労働者が自ら請求・取得した年次有給休暇の日数や、労使協定で計画的に取得日を定めて与えた年次有給休暇(計画年休)の日数を、時季指定義務が課される年5日から控除する必要があります。

 例えば、年次有給休暇付与日から半年後など、一定期間が経過したタイミングで、年次有給休暇の請求・取得日数が5日未満となっている労働者に対しては、意見を十分に聞きながら、場合によっては使用者から時季指定をすべきです。

 質問のケースは、日数はもちろん、手続き面や法の趣旨に照らしても、適切とは言えません。労働組合や会社の人事部門に相談してみてください。

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