【夕刊フジ×キイストン 飲食業新時代への挑戦】ホットドッグのヒットで“二刀流”実現! 「麺屋武蔵」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【夕刊フジ×キイストン 飲食業新時代への挑戦】ホットドッグのヒットで“二刀流”実現! 「麺屋武蔵」

 東京都内に15店舗をかまえ、店舗ごとに異なる味を提供する「麺屋武蔵」(東京都新宿区、https://menya634.co.jp/)。年商17億円、負け知らずのラーメン店にも、コロナ禍は襲いかかった。

 ビジネス街に店をかまえる麺屋武蔵の主な客層は20代後半から40代後半の会社員。テレワークに切り替えた人も多く、昨年春は売り上げが8割ダウンした。「日本に行ったら武蔵に寄りたい」という海外からの客は店から消えた。

 他業界から24歳で麺屋武蔵に転職、たたき上げで2代目社長となった矢都木(やとぎ)二郎社長は、コロナとの戦いにどう挑んだのか?

 影響が長引きそうだと判断した昨年4月、すぐに始めたのが通販とテークアウトだ。当たり前のように思えるが、「東京でしか食べられない」ブランド作りと、「最高の場で最高の一杯を味わっていただく」ために、味のみでなくサービスや店内環境、すべてにおいて最善を尽くす「麺屋武蔵体験」の提供という理念を曲げることになる。それでも会社と従業員を守るため、社長自ら慣れない通販実務を行った。

 次にデリバリー開始とオリジナルのテークアウト商品を開発。これが戦況を変えた。

 秋葉原「麺屋武蔵 武仁」では、近くに高級食パン店がオープンしたのを知った店長が、厨房(ちゅうぼう)にある角煮や味付け卵を使ってサンドイッチを作った。同じく秋葉原の「麺屋武蔵 巌虎」は、チャーシューベーコンにサルサソースを合わせ、まぜ麺にチーズソースをかけトルティーヤで包んだ「メンタコス」を考案。上野「麺屋武蔵 武骨相傳」ではストローで食べる「冷しタン麺」を発売と、続々とアイデアが形になっていった。

 特にヒットしたのが、吉祥寺「麺屋武蔵 虎洞」が店の前で売ったホットドッグだ。ラーメンのトッピングの自家製チャーシューソーセージをテークアウト用にアレンジ。「タイガードック」として独立したブランドとなり、「ウーバーイーツ」で販売開始。上野「麺屋武蔵 武骨相傳」のローストポークをいかした「プルドポーク丼」を届ける「porkマニア」も今年からこれに続いた。

 売り上げの一助になればと経営陣が知恵を絞った苦肉の策が、ラーメンとは別の新たなブランドをつくり上げ、店名の由来である宮本武蔵さながらの二刀流を実現した。

 アフターコロナを見据え、昨年10月からは「オーダーメイドラーメン」を始めた。企業のニーズに合ったオリジナルのラーメンを作るサービスは、イベントなどから引き合いが来ている。

 また、「普段では出ないような物件、採れないような人材の確保は、コロナ禍こそチャンスがある」と矢都木氏。すでにいくつか考えてあるという次の策が楽しみだ。 (取材・細見昇市)

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