【夕刊フジ×キイストン 飲食業新時代への挑戦】「テロワールは地球」可能性切り開いて 「十輪旅スル日本酒」440万円で落札 六花界グループ - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【夕刊フジ×キイストン 飲食業新時代への挑戦】「テロワールは地球」可能性切り開いて 「十輪旅スル日本酒」440万円で落札 六花界グループ

 先月、日本酒業界に驚きのニュースが飛び込んできた。

 日本のアートオークションをリードするシンワオークションにて開催された「WINE/LIQUORオークション」で、「ロマネコンティ」をおさえ、日本酒の「十輪(とわ) 旅スル日本酒」に最高額440万円がつき、落札された。

 これまで、日本酒の最高値は、サザビーズ香港で2019年に落札された「獺祭」の84万円。これを大きく上回るだけでも驚きなのだが、「十輪」を造ったのは、有名な老舗酒蔵ではなかったということも衝撃だ。

 ギネスブックにも申請中の、世界一高価な日本酒を造ったのは、六花界グループの森田隼人社長。六花界グループは、東京初の立ち焼肉「六花界」に始まり、「クロッサム モリタ」など6店舗を経営している。いずれも、これまでの焼肉店の常識にとらわれない仕掛けと、上質の肉と厳選された日本酒を楽しめると人気。会員制の導入で「日本一予約の取れない焼肉店」といわれている。

 近大理工学部卒業後、建築家、公務員、プロボクサーなどの職を経て、六花界グループのオーナーシェフを務める森田氏は、なぜ「旅スル日本酒プロジェクト」に挑戦したのか?

 日本酒は世界に誇れる日本文化の一つだが、世界的な価値ではワインに負けている。日本酒造青年協議会が定める、日本酒や日本食文化を世界に発信する役割を担う「酒サムライ」の称号を持ち、農水省料理人顕彰制度「料理マスターズ」にも認定された森田氏。日本酒の未来のために「酒蔵にはできないことをやろう、自分の代でワインを超える日本酒を造ろう」と思ったそうだ。

 日本酒はワインのようにテロワール(作物の生育環境)の縛りはない。それなら「テロワールを地球にしよう」と、酒造りをしながら世界を旅しようと考えた。

 酒造はどこの国も免許制で、酒税法のハードルも高い中、「自家醸造が認められている」ロシアで実現できると知り、ウラジオストクへ。モスクワとの往復約2万キロ。協力酒造の蔵人とともに、トラックの荷台に小さな酒蔵を積んで醸造しながら40日間旅をした。日本酒史上初、世界初、移動しながらユーラシア大陸の空気と酵母菌を吸収してロシア政府と協同で造り上げたのが、「十輪 旅スル日本酒」なのだ。

 今後も、船旅での可能性や新たな酵母菌の抽出など、「新しい日本酒時代」を切り開いていくという森田氏だが、まずは「東京オリンピックで世界各国の要人に、自分の料理とお酒を味わってほしい」と語った。 (取材・細見昇市)

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