日台「半導体」結束強化 台湾TSMCがソニーと熊本に新工場 政府、総事業費の半分程度を支援か TPP支援も加速 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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日台「半導体」結束強化 台湾TSMCがソニーと熊本に新工場 政府、総事業費の半分程度を支援か TPP支援も加速

 世界的な半導体不足が続くなか、半導体の受託生産で世界最大手の「台湾積体電路製造(TSMC)」が、ソニーグループとタッグを組み、半導体の新しい工場を熊本県内に建設する方向だと、日経新聞などが9日までに報じた。TSMCは、米国でも新工場建設を予定している。中国の軍事的覇権拡大が進むなか、経済安全保障に直結する「戦略物資」である半導体をめぐり、「日米台連合」が構築されようとしているようだ。

 日経新聞やNHKによると、半導体の新工場は「九州のシリコンアイランド」の一角、熊本県菊陽町にあるソニーの画像センサー工場の隣接地に8000億円規模の資金を投入して建設。日本政府も、総事業費の半分程度を支援する方向で調整を進めているという。

 岸田首相は8日午後の所信表明演説で、成長戦略の柱として「科学技術立国の実現」「デジタル田園都市国家構想」「経済安全保障」を挙げ、先端科学技術の研究開発への大胆な投資、地方と都市の差を縮める5Gや半導体、データセンターなど、デジタルインフラの整備に取り組むと宣言した。

 同日午後7時、日経新聞がTSMC新工場の一報を流し、NHKなどが9日未明に続いた。

 岸田首相と台湾のつながりは深い。曽祖父が、台湾で事業をしていた。首相自身、若手議員時代にたびたび台湾を訪れ、李登輝元総統と交流していたという。台湾のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)加盟申請にも、高市早苗政調会長らとともに「歓迎したい」と発言している。

 一方、習近平国家主席率いる中国は、台湾のTPP加盟申請に猛反発している。1~5日には台湾の防空識別圏(ADIZ)に戦闘機や爆撃機など計150機も進入させるなど、軍事的威圧行動を強めている。

 今回のTSMCの動きを、識者はどう見るか。

 評論家の宮崎正弘氏は「TSMCの技術は世界一だ。台湾側は半導体の先駆けの日本と手を組み、『次の次の世代の商品開発』を目指している。新工場ができれば、日本のサプライチェーン(供給網)の面で安定した生産能力と先端技術を確保できる」と分析する。

 「日米台連合」を指摘する向きもある。

 評論家の石平氏は「台湾当局はTSMCを通じ、米国に続き、九州にも半導体の生産拠点を作ることで、日米台で経済面でも安全保障上も一体化できればと試みている。日本は政府・与党一体となり、高度に戦略的な視点から台湾をもっと支援し、『鉄の同盟関係』をつくるべきだ」と語っている。

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