【ネットデジタルここに注目!】子供も大人もプログラミングに親しめる任天堂「Switch」ソフト 「デジタルは自ら作るもの」という発想で“デジタル敗戦”を防げ - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【ネットデジタルここに注目!】子供も大人もプログラミングに親しめる任天堂「Switch」ソフト 「デジタルは自ら作るもの」という発想で“デジタル敗戦”を防げ

 コロナ禍の中で「デジタル敗戦」という言葉が使われた。昨年春に新型コロナウイルスの感染者数が増加しはじめると、日本のコロナ対策の遅れが指摘された。基本となる新規陽性者数の集計でさえ、手書きやファクスが使われている。それによって、現場に負担がかかり誤りも生じた。国レベルでの「デジタル化の遅れ」が対策の足を引っ張ったのだ。

 この明暗は個人にもあてはまる。「デジタルデバイド」と言われるが、この言葉は、それによって生ずる「経済的な格差」までを含んでいる。自分や子供たちが、これからも豊かで平穏な暮らしを送りたいなら「個人レベルのデジタル敗戦」は、ぜひとも避けたい。

 なぜ「デジタル化の遅れ」が生じるのか? その理由の1つは、「デジタルは用意されたものを使うもの」という発想が日本人に強いからだ。米国では1980年代のレーガン政権時、小学校にパソコンがどんどん導入された。それらは、音楽やアニメーションを作ることやプログラミングに活用された。「デジタルは自分でなにかを作るもの」と教えられたのだ。

 デジタル化は、それを使う人たちが「自分の業務を変えていく」という発想がなければ進まない。新しくソフトを開発したり導入するということだ。そのためには、プログラミングとはどんなものかを学んで体験していることが前提となる。

 とはいえ、いまさらプログラミングを学ぶのは難しいと考える人は多い。しかし、「子供にはプログラミングを学んでほしい」と思う人はいるだろう。

 そんな人に試してほしいソフトが任天堂のゲーム機「Swicth」向けに発売された。『ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング』(以下「はじプロ」)である。

 入門向けのプログラミング言語としては『Scratch』という定番かつ世界的に人気のソフトがあった(誰でもWebから無料で使うことができる)。さらに、「BASIC」という言語を使う『IchigoJam』というハンダごてで基板から組み立てるコンピューターもある。

 しかし、そのどちらにも必要なのが「論理的な思考」と呼ばれる頭の使い方だ。「IF(もし)××ならば」とか、「WHILE(のとき)××を繰り返す」とか、パズルのようなルールを組み合わせてプログラミングするものがほとんどだ。これが大人でもややこしくて、プログラミングに挫折する大きな要因だ。

 はじプロは、プログラミングの経験がない子供でも、始めたその日のうちにちゃんと遊べるゲームが作れてしまう。画面に、床や壁、ボールなどを配置していき(ノードンと呼ばれる)、それらの性質(=なにかに衝突したら壊れるとか)や動き(=ボールが落下したり弾んだりなど)をパラメーターで設定していく。パワーポイントを使うような感覚だ。

 「それでは、似たようなゲームしか作れないんじゃないの?」と言われそうだが、いくつかに類型化はされるものの、かなり自由にオリジナルの作品を作ることができる。任天堂のサイトにアップロードしてみんなが遊べるようにもなっている。

 このプログラムで頭を使うのは、パズル的な「IF」や「WHILE」ではなく、どんな画面でどんなルールのゲームが楽しくなるか、ということだ。NHKの番組「ピタゴラスイッチ」の装置を作るような感覚だ。もちろん、これでプログラミングに興味を持てばScratchなどの本格的な言語に進むのもいいだろう。

 子供や孫に勧めるのもいいし、大人が頭の体操的にやるのもよいと思う。そんなふうに、「デジタルは自ら作るもの」という発想が根付けば、個人にとっても日本にとっても「デジタル敗戦」は遠のいていくはずだ。

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