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【産経プラスコラム】マツモトクラブのマツモトコラム(1) (1/3ページ)

 舞台の上では、優勝したアキラ100%さんが、まぶしいほどに光り輝いていた。R-1ぐらんぷり2017。

 同じ事務所の先輩、大好きなアキラさんが輝いている。アキラさんおめでとうございます。心から祝福します。だけど僕は、やっぱり悔しいです。それはもちろん、僕も優勝を目指していたからです。

 悔しさとふがいなさと寂しさの中、僕はスタジオに立ちつくしていた。

 終わった。決勝Cブロックでの自分の敗退が決まった瞬間から、絶望的などんより雲が、僕の頭上に広がった。どこで何をしていようが、しばらくはずっと、このどんより雲と共に生きることになるだろう。そう考えると、どんより雲はさらに大きく、そして濃い灰色になっていった。

 僕のあまりのどんより雲ぶりに気がついたルシファー吉岡さんが、僕と同じように負けて、悔しいはずのルシファーさんが、僕に声をかけてくれた。

 「マツクラさん、面白かったですよ!」

 ルシファーさんにはこの数年の間、いろいろなライブやイベントで一緒になり、良きライバルとして、飲み友達として、そしてエロおじさん同士として、切磋琢磨しあってきた特別な思いがあった。そのルシファーさんもBブロックで敗退していた。ルシファーさんももちろん、優勝したかった。ルシファーさんの悔しさも、ものすごいはずだった。そのルシファーさんが言葉をかけてくれた。

 「マツクラさん、面白かったですよ!」

 「いや、ルシファーさんもですよ」と、言いたかったのに「いや…」までしか言えなかった。泣いてしまいそうだったからだ。

 収録は終わった。スタジオから楽屋まで戻る廊下の両脇に、たくさんのスタッフさんや関係者の方々が立っていて、その前を通って楽屋に戻って行く僕たちに、みなさんがそれぞれにキラキラの笑顔で「お疲れ様でした!」「ごくろうさん!」と声をかけてくれた。

 その言葉の一つ一つが、どんより雲の真下にいる僕の胸の温度を上げていき、その温かさが鼻の奥のほうにじわじわ伝わり、また涙の雨がこぼれそうになった。すでに涙目にはなっているかもしれない。だから下を向き、顔を見られないように、楽屋までの道のりを少し早足で歩いた。

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