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高いのに普通すぎる!? 「新国立競技場」から見るニッポン (1/2ページ)

 皆さん、ズドラーストヴィチェ!(ロシア語でこんにちは!) 生まれはロシア、育ちは関西、舞台は東京!ロシア系関西人の小原ブラスです。

 2019年も終わりが近づき、いよいよ2020年オリンピックイヤーの到来ですね。様々な問題を抱えながらも五輪の準備は着々と進んでおり、つい先日、新国立競技場が完成したというニュースを耳にした方も多いでしょう。

 3年の工期を経て五輪開催の半年以上も前に、遅れを出すことなく完成。さすが納期を守る日本人、その真面目さが垣間見えますね。職人さんや建設に直接携わった方には脱帽する思いです。

 完成するまでに色々な問題をかかえていた新国立競技場ですが、日本国内での評価は様々ですね。正直ここまでの経緯を踏まえると、どんな競技場ができても必ず叩かれる運命にある新国立競技場。日本に住む外国人の目には今その競技場がどのように映っているのか、今回はそんな話題です。

■東京五輪開催決定!日本人以上に歓喜した外国人

 2013年東京五輪の開催が決定したあの瞬間、テレビの前で腕を組んで真剣な顔で観ていたのは今となっては良い思い出です。発表された瞬間思わず僕もガッツポーズをしたし、発表された数分後、外国人の友人から「東京で決まったよ!!」と興奮ぎみのLINEが届いたのもよく覚えています。

 外国人にとってはどこで開催されても一緒じゃないか?と思われるかも知れませんが、とんでもないことです。日本に住む外国人にとって、東京で五輪が開催されるのはとても意味のあること。日本人よりも喜んだ外国人も少なくないはずです。

 というのも、母国を出て日本に住む外国人にとって、母国で心配する親族に、今こんなに素晴らしい国に住んでいるんだぜ!とアピールができる最高の機会になるからです。数々の反対を押し切って他国で住むことを選んだ、その自分の選択の正当性を母国の人に伝えたい気持ちは誰もが持つものです。自分が他国に住むことを想像してみて下さい。日本の家族や友人に、その住んでいる国の凄いところや武勇伝を少し語って自慢したくなる気持ち、なんとなくご理解頂けるでしょうか。

 だから日本に住む外国人としては、是非とも東京五輪で日本の凄さを世界中にアピールして欲しいし、大成功をして欲しい。この思いは日本人と同じかそれ以上のものなのです。

■インパクト薄く…普通すぎる新国立競技場

 五輪開催期間中、何度も何度も全世界に五輪の象徴として映し出される新国立競技場。できれば世界に自慢ができるインパクトのあるものにしてほしいというのが正直な気持ちでした。

 最初に発表されたザハ案の宇宙船のような競技場のデザインが凄かったので、東京にあんなに近未来的でカッコいい競技場が出来るのかと思うと大興奮!でも、日本の技術力ならこのくらい余裕で建てれるのだろうなと思っていました。ご存知の通り結果としてあのデザインは実現することはなく、完成したのが、自然との調和を意識した「杜のスタジアム」です。

 重さ2万トンの屋根には光を効率的に取り込むガラスを使用、46都道府県の杉の木と琉球松を使った木の温もりを感じる軒庇、アスリートの疲労を軽減する最新のトラック、5色のモザイク状に配置され空席を目立たなくする工夫が施されている観客席、そしてなんといっても総工費はたった1569億円!このような売り文句のスタジアムとなりました。

 個人的な感想ですが…たっか!めちゃくちゃ高いのになんか普通。

 デザインに関しての感想は人それぞれあるので正解はないのは分かりますが、僕の周りの外国人に感想を求めると殆どの外国人の反応が「まあいいんじゃない?」という感じなのです。つまり感想という感想を持てないないのです。

 たまたまロシアのメディアで新国立競技場完成の報道を観たのですが、完成した新国立競技場の写真に対して「屋根の部分は完成していないので、完成前の写真では?」という指摘がコメンテーターから入り、改めて完成した写真で間違いないかを確認する一幕がありました。

 「すごい!」という感想を第一声でいただけないのは、自慢をしたかった身としては少し残念です。

 

 ザハ案だと3000億円かかると言われていたものが、最終的には1500億円まで収まったのだからいいじゃないかと思わるかもしれませんが、1500億円もかかる競技場は世界中を探しても数本の指に入るほど、かなり高い方であることを忘れてはなりません。ここ最近の五輪のメインスタジアムとして新設された競技場の総工費を見てみると一目瞭然。

 2014年 ソチ五輪 フィシュト・オリンピックスタジアム 約850億円

 2012年 ロンドン五輪 ロンドン・オリンピックスタジアム 約700億円

 2008年 北京五輪 北京国家体育場(鳥巣) 約500億円

(Wikipediaより 金額は現在の為替レート換算)

 物価の違い、レートやタイミングが違うので一概に比較することはできませんが、これらのスタジアムの倍以上の値段がかかっている割にはインパクトに欠けると言われてもおかしくないのかもしれません。

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