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芸能人への“不倫懲罰ムード” 「家族を大事にしよう」という本能的な危機感から!?

 人気俳優の年下女優との大不倫劇への「絨毯爆撃」が続く中、朝ドラや朝の情報番組などで好演をみせるアラフィフ独身女優が、元タカラジェンヌ妻のいる元歌舞伎俳優と不倫関係にあることが“文春砲”で露呈した。

 いまや芸能界は「禁酒法」ならぬ「禁倫法」が“施行された”というのに、何を好き好んでアル・カポネのまねをしているのかと、元素行不良中年の私も大きく首をかしげた。

 「恋は盲目」とはいうものの、少し冷静になればそのリスクが分かるようなものである。逆にこれは愛の力がいかに強力であると同時に残酷であるかを実証したようなものである。

 実は、私はこの女優さんとは昔に夫婦役として共演をしたこともある。断言するが、美しさはもちろん、その性格と知性も最高レベルであったと断言する。また、芝居に対する熱意も並大抵のものではない。とにかく素晴らしい女優さんなのである。

 だが、そんな彼女もこのご時勢にこんな報道が出てしまうと、不倫のイメージとは真逆のポジションにいただけに、「厄介」な結果は避けられない。

 昨今、世間を騒がしてやまない不倫バッシングについて、私はもう一度冷静に分析してみようと思った。

 芸能人の不倫という枠組みで考えると、多くが冷静さを失ってしまうが、世間一般において不倫とはどんな結果をもたらすのであろう。

 大企業のエリートサラリーマンが不倫でクビになったとか、その逆に実際に大手企業の人事関係者からは騒ぎにならない限りは関わらないという話も聞いたことがある。お堅いはずである警察や教師に職場内不倫が多いというような「都市伝説」じみたものもあるくらいだ。

 要は世間一般にも不倫は目新しいものではないことは確かである。少なくとも刑務所に行くことになる「覚醒剤の乱用」とはまったく次元の違う話なのだ。そして不貞行為の慰謝料の相場は50万~300万円という。この値段が安いか高いかは意見が分かれるだろう。

 やはり一番の問題は、相手の家族を離散させてしまう倫理的責任だ。前途のある子供たちの人生を頓挫させてしまうことも多いはずだ。

 今の世の中、結婚や子育てという当たり前のことが難しい「乱世」である。経済的にも男女の恋愛観の相違においても婚姻率は下がり続け、未婚化は進行している。今や「家族」というものは絶滅危惧種なのである。

 私は最近の芸能人の不倫に対する極端な生理的なまでの「懲罰ムード」とは、ここにあるのだと思う。

 有名人への無意味な嫉妬は当然あるだろう、だがそれ以上に失われつつある「家族」を大事にしようというような、本能的な危機感が人々の中に生まれているのではないだろうか。

 社会の基礎である「家族」が失われつつあるのに、有名人がそれを大事にしないなど、まさに社会の敵であり、そんな奴がテレビに出るなど許されないということだ。

 その怒りは独り者の「覚醒剤の乱用」よりも万死に値すると言わんばかりである。

 ■大鶴義丹(おおつる・ぎたん) 1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳優、小説家、映画監督。

 88年、映画『首都高速トライアル』で俳優デビュー。90年には『スプラッシュ』で第14回すばる文学賞を受賞し小説家デビュー。主な出演番組は『アウト×デラックス』(フジテレビ系)など。

 2020年、YouTubeで公式チャンネル「大鶴義丹の他力本願」を開設し動画を投稿中。

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