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初めて買ったエロ本 「エロに笑いは禁物」のワケ

 でねーっていう話の出だしも変だけど、前回、紹介したいやら収集。“初めて買ったエロ本”の続き。

 遠出しすぎて「夕飯の時間(うちは真面目な家だったもので6時半きっかりから始まる)に間に合わなくて、親からいろいろ尋問を受け大変、困った。エロ本が入った紙袋は前もって自室のサッシ窓の隙間に外から立て掛けておいたので没収されることは免れた。

 「ごちそうさん」と、気まずい夕食を終え、何気を装い自分の部屋へ。紙袋を落とさないようゆっくり窓を開け、ようやく救出した。

 もう、ワクワクが止まらないが、努めて冷静にページを開く。“ん?”、当然、焦って買ったので中身はチェックしていない。

 “ん?”めくれどめくれどグッとくるヌードや濡れ場は載っておらず、途中のカラーページで気が抜けた。

 そこには三度笠をかぶったセミヌード(かなり熟女)が、田舎芝居でもしてる風に殺陣を披露してる写真が何枚も載っていたから。

 それだけでも童貞にはショックなのに、マンガのフキ出しのようなものが付いていて、「お控えなすって!」とか、到底笑えぬセリフが書いてあった。

 “あぁ、もうダメだ…”“苦労が水の泡だ”だとか呟いて、僕は自暴自棄に陥った。

 『エロに笑いは禁物』、その時、頭に浮かんだ格言である。以降、予めページを確認してからエロ本を買うようになったが、例のビニ本から中身が見られぬシステムが導入され、今は透視能力に頼るのみだ。

 もう、誰から買ったのか記憶はないが、今回、紹介するキーホルダーがこの前、仕事場の掃除で見つかった。先ず、こんなものに鍵をぶら下げるセンスを僕は持ち合わせていないし、左右にズラすとこの3P連が腰を振る仕掛けになっているのだが、ちっとも笑えない。いや、エロに笑いは禁物だって思ってる僕に無用の長物。ま、捨てる勇気はないんだけど。

 ■みうら・じゅん 1958年2月、京都市生まれ。イラストレーター、漫画家。エッセイストとしても知られ、97年に「マイブーム」で新語・流行語大賞を受賞した。近著に『ラブノーマル白書』(文春文庫)、『みうらじゅんの松本清張ファンブック「清張地獄八景」』(文芸春秋)など。新刊『ひみつのダイアリー』(文春文庫)が3月10日に発売。

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