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あおり運転する「輩」には…厳罰化が効果てきめん

 あおり運転がこれほどまでに話題になり、問題化したのは、テレビのワイドショーが散々騒いだおかげだと思っている。

 いよいよ国会レベルの案件となり、あおり運転の厳罰化は2020年夏ごろに始まるという。この罰則は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金、高速道路においてはさらに重い罰則が課せられる。

 ワイドショーの功罪というのは、メディア論的にたびたび論ぜられるが、これに関してはワイドショーの面目躍如だ。

 私の邪推であるが、あおり運転映像は、もともとはSNSなどで地味に盛り上がっていたが、それをテレビ局が「原価率が低い」とばかりに使い出したのが始まりのような気がする。だが、それを見たワイドショー視聴世代である中高年が、「明日はわが身」とばかりに反応し、想像以上に大きな反響を呼んだのであろう。

 そのおかげといっては不謹慎であるが、ドライブレコーダーがバカ売れとなり、新車時から装着するのが当たり前となった。また前後同時録画や360度撮影などの、高額商品が飛ぶように売れているという。

 相互監視社会のようであるという危惧もあるが、実際にドライブレコーダーの搭載効果により、事故や交通トラブルが減少したという調査報告を、国土交通省が発表している。

 私見であるが数年以内に周りの車のナンバーなどを、AIが自動的に記録してくれるようなシステムのドライブレコーダーが出てくるであろう。

 だがしかし、である。そんな状況であるというのに、いまだに山賊まがいのあおり運転映像がSNSに上がっている。実際にその映像から逮捕されるようなケースも日々報道されている。

 それらの映像を見てみると、車から出てきて暴れているのは、やはりそういう「輩」といった連中で、分かりやすい構造だ。

 ドライブレコーダー映像に映っている元気が良過ぎる表情を見ながら、私は彼らがどうして撮影されている可能性があるのに、素顔をさらして暴れているのだろうと思った。

 私などは、交通トラブルで相手を一瞥(いちべつ)しただけでも、間抜け顔を高画質でさらされる可能性があるので、一切不穏なことには関わらないようにしている。

 しかし、彼ら「輩」はどうして、こんな監視社会だというの腕力自慢に走ってしまうのであろうか。

 おそらくであるが、彼らは私たちが想像している以上に社会から孤立している部分があるのではないか。新聞もテレビニュースも見ないし、スマホもゲームか、仲間とのSNSだけといった感じなのだろう。私たち普通のオトナが感じる「世相」などが、肌に伝わるスピードがまったく違うのだ。

 そんな彼らが一番信じている「世相」というのは、仲間内での情報であり、それが彼らの世界観のすべてである。なので仲間や先輩後輩などが、あおり運転で逮捕されたといった情報には強く反応して共感する。

 悲しいかな、飲酒運転然り、交通に関しては厳罰化が効果てきめんのようだ。

 ■大鶴義丹(おおつる・ぎたん) 1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳優、小説家、映画監督。

 88年、映画『首都高速トライアル』で俳優デビュー。90年には『スプラッシュ』で第14回すばる文学賞を受賞し小説家デビュー。主な出演番組は『アウト×デラックス』(フジテレビ系)など。

 2020年、YouTubeで公式チャンネル「大鶴義丹の他力本願」を開設し動画を投稿中。

 

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