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人との「出会い」や「縁」は何十年の時を経て結ばれる…宮崎と私を結んだ一人の男の“情熱”

 先日、宮崎県にお邪魔しました。私が金曜日に出演しているTBSラジオ「たまむすび」の出張版ということで、宮崎からの生放送になったためです。

 宮崎と私には縁があり、過去に宮崎市の繁華街「ニシタチ通り」の観光大使に選ばれたことがありました。「ニシタチ」とは橘通りの西側に位置する飲み屋街のことで、人口比率に対しスナックの店舗数が日本一という一大歓楽街。全日本スナック連盟会長の私ですから、観光大使に任命されたのでしょう。

 ただ、この度の生放送の裏には、実現に向けて尽力した一人の男性の熱い情熱があったのです。

 その男性はニシタチ生まれのニシタチ育ちで、上京後にTBSに入社します。その後宮崎放送に出向し今年還暦を迎え、親の介護もあり生まれ故郷宮崎に拠点をおくことに。全国に宮崎県のすばらしさを伝える仕事に着任し、今回の生放送実現に奔走したのです。

 男性は放送の前日に宮崎入りしたわれわれを空港で素晴らしい笑顔で迎えてくれ、自ら熱く宮崎を語るガイドに徹してくれたのです。夜はみんなで郷土料理での一献からのスナック。すっかり歓待を受けたのです。

 そんな中、私は終始「人との出会いや縁というのが、何十年の時を経て結ばれるものなんだな」と感無量だったのです。

 なぜかというと、実は男性と私との出会いは30年以上前のこと。当時デビューしたての私たちのライブに熱心に通ってくれて、TBSラジオで冠名入りの番組に抜擢(ばってき)してくれたのがその男性だったのです。

 番組タイトル名は「浅草キッドのすっぽんぽん」。当時、ポジションもお金も、まさに着るものも、生活にも困っているわれわれにはピッタリのタイトルでした。番組に抜擢してくれて、スタジオの中にいるわれわれにキューを振ってくれたのが今回登場する男性、牧巌さんだったのです。

 「いや~まさか、玉ちゃんとこうして宮崎で仕事できるなんて夢にも思わなかったなぁ」

 「いや、こちらこそ、牧さんが60歳で僕が今年53歳で、こういう形で宮崎に呼んでもらって仕事ができるなんて」

 「玉ちゃんも観光大使やったりして、ボクが宮崎に戻って仕事している縁だと思うよ」

 2人で景勝地・鬼の洗濯板がある青島の海岸を歩きながら振り返りました。

 牧さんは当時、収録が終わると、飢えていた私たちに焼き肉をごちそうしてくれていました。「ラジオやると焼き肉とビールにありつけるんだからたまらねぇ」と、漠然と恩恵を受けていましたが、今思い返せば、それは牧さんが自腹で私たちに施してくれていた、正に血が通った自腹焼き肉だったのです。

 番組が終わり、牧さんも忙しく、私もしばらくTBSラジオとも離れていたので会うことが極端に少なくなっていたのですが、こうして再会ができて生放送も大成功でした。

 青島にある青島神社は縁結びの神が宿るといわれています。長い年月を隔て、たまむすびと宮崎を結んでくれたのでしょう。めでたしめでたし。

 ■玉袋筋太郎(たまぶくろ・すじたろう) お笑い芸人。1967年6月22日生まれ。東京都新宿区出身。86年にビートたけしに弟子入り。TBSラジオ「たまむすび」(金曜)、TOKYO MX「バラいろダンディ」(火曜)にレギュラー出演中。2013年から一般社団法人全日本スナック連盟会長。著書に「スナックあるある この素晴らしき魑魅魍魎の世界」(講談社)、「スナックの歩き方」(イースト新書)など。

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