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館内が騒然…今も生きる討論の熱気 映画「三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実」

 ついに首都圏などではシネコンも営業休止に。少し前から自粛ムードで客席はまばらだったが、このドキュメンタリー映画だけは違った。平日午後に東京・日比谷で見た「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」は、同時代を生きた人を中心に映画館は8割ほどが埋まり、題材が題材だけに客席のマスク姿が妙に似合っていた。

 1969年5月、東京大学駒場キャンパスで行われた作家・三島由紀夫と東大全共闘との伝説の討論会は一触即発。その伝説の映像を識者の解説を交えて公開する。

 三島は警視庁の警護を断り、1000人の学生と対峙した。だが、三島は学生の挑発に乗らず、互いに真摯な思想をぶつけあう。今の国会討論より数倍、見応えがある。

 映画の開始早々、客席の一部がざわついた。初老の男は三島が登場するや「嘘つき」「口パクだ」と毒づいた。「アメリカに嫉妬しているんだろ」などと、答えの返ってこないスクリーンに向かって罵る。周囲が諫めても聞く耳を持たない。これは絶叫上映会なのか? 途中、映画館のスタッフが注意に来たが、そのときだけは黙っていたらしい。

 終演後、「こっちはお金払って見てるんだから、なんとかしてくれよ」とスタッフに詰め寄る客も。こちらも同感ではあったが、途中から男のタイムスリップしたやじが、まさに「50年目の」反応なのかと、思いいたった。過去の映像が届けてくれた三島と学生の言葉は今も生きている。(中本裕己)

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