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志村けんさん、素顔は寡黙でストイックでシャイ

 志村けんさんは29日夜、新型コロナウイルスによる肺炎で70歳で死去しました。下記は2020年3月30日付で紙面に掲載された記事です。

 「早く元気になって」「だいじょうぶだぁ~の声が聞きたい」など多くのエールが続々と寄せられている、タレントの志村けん(70)。3月25日、新型コロナウイルスの検査で陽性と23日に判明したことを所属事務所が発表し、“芸能界初の感染判明”と衝撃が走った。現在は都内の病院で闘病中である。

 志村は3月17日に倦怠(けんたい)感があったため自宅で静養。19日に発熱、呼吸困難などの症状が出たため、20日に都内の病院に搬送された。重度の肺炎と診断された。

 「コロナの症状に似ていたため検査し、わかった。志村は4年前に肺炎を患い2週間入院したことがあり、それがきっかけで禁煙しましたが、それまで多いときは1日60本以上を吸うヘビースモーカー。肺が負ったダメージの影響が心配です。今年1月に胃のポリープ切除手術もしており、高齢ですし、免疫力低下を案じる声も。現在は入院先で、人工心肺装置をつける治療を受けており、肺を休ませ免疫力が回復するのを待っている状態です」(志村の知人)

 『志村けんのバカ殿様』や『天才!志村どうぶつ園』で現役バリバリの志村だが、筆者は2012年に独占インタビューをしていた。自ら職人と称し、お笑いを企画から作り込むタイプの天才。その素顔は寡黙でストイック、シャイな印象を受けた。ドリフ時代に子供たちを熱狂させた『カラスの勝手でしょ』の成り立ちを聞くと、「当時、赤坂のTBSでいつもリハーサルをやってたんだけど、その近所の子供たちが歌っていたんですね。くだらないんだけど、ステージでやったら大爆笑。当時ほとんどのギャグはアドリブでやって、ウケたら次もやるの繰り返し。カラスは1年半くらいやって、『もうあれ、やめていいかな』『ああ、いいよ』ってやめたら、TBSに抗議電話が殺到しちゃって(笑)」。

 さらに『アイ~ン』についても「まあノリでやって。周囲の反応を見てネタにしただけですよ」。私の『アイ~ン』は練習するのかというバカな質問にも「それはないです」とまじめに答えてくれた。

 「バカ殿もこんなに長くやるとは思っていなかったから、とりあえず殿だったらいいやと、顔を真っ白くドーランを塗って、眉毛も太く塗って、口紅でおちょぼ口にして、一丁上がり。雑にやったんですよ、実際。駆け出しの頃はジェリー・ルイスが好きで、いまでも僕のお笑いは動きが7で言葉が3ですかね」と明かしてくれた。

 同年代よりも若々しく、たばこを吸いながら、はにかんだ笑顔。「健康とか少しは考えなきゃいけないんだろうけど、今の体を維持できたらいいし、後はずっと舞台を続けたいかな」

 そう抱負を語ったのだった。一日も早い全快を心からお祈りしたい。

 ■中村竜太郎(なかむら・りゅうたろう) ジャーナリスト。1964年1月19日生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から文藝春秋「週刊文春」編集部で勤務。NHKプロデューサーの巨額横領事件やASKAの薬物疑惑など数多くのスクープを飛ばし、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞受賞は3回と歴代最多。2014年末に独立。16年に『スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ』を出版。

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