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一歩を踏み出せない人の背中を押す曲 Official髭男dism『Hello』

 テーマ曲が言葉や曲のパワーで内容をより盛り上げる威力を発揮するのは、ドラマに限ったことではない。

 朝の情報番組でも『グッド!モーニング』(テレビ朝日)が、松任谷由実の『Good!Morning』と大物を起用することも多い。

 各番組が装いも新たになる4月から『ZIP!』(日本テレビ)ではMr.Childrenの『The song of praise』が流れる。直訳すると“讃える歌”。

 「やり場のない悲しみを、先の見えない不安を、思うように動かない現実を、誰かのせいにするのではなく、批判するのでなく、自分を、誰かを、何かを、讃えようとする歌です」と桜井和寿。世界的な閉塞状況が続く中、不満を言い出せばキリがない。こんな時だからこそ、讃えあい、心を束ねようというメッセージが伝わってくる。

 「1日の始まり、テレビに映し出される誰か。その姿を観た別の誰かが『あなたがそうであるなら私も』と希望や勇気で心を強くする。そんなイメージでできあがった曲です。まだ不安な状況は続いていますが、番組を通じて、今を生きる自分達を、互いに讃え合えるよう願っています」(桜井)

 情報に一喜一憂するのではなく、前を向こうということだ。「清濁併せ呑む、大きな心が詰まっている曲だと思いました」とはパーソナリティを務める風間俊介。

 『めざましテレビ』(フジテレビ系)の新テーマ曲は『Hello』。Official髭男dismの書き下ろし曲だ。「新しいできごとや感情、人など、人生におけるさまざまな“出会い”に対するあいさつ」という意味をタイトルに込めたとヒゲダン。

 「1日を過ごす中で、もちろんハッピーな出来事ばかりではないと思いますが、自分の夢に向かって日々頑張っている人を肯定して背中を押せるような」曲だという。

 踏み出したい気持ちはあっても、さまざまな事情で踏み出せない人は多い。諦めて挫折を味わうこともある。後悔することもある。

 「そんな人たちの背中に、そっと手を添えてくれる応援ソングにしたいと決めたとき、真っ先に浮かんだ」とヒゲダンに依頼した動機を話すのはプロデューサー。

 数カ月後、デモテープを聴いて「なぜ朝なのに『ハロー』なのか」と驚いたが、今の時代を生きる人たちが日常で感じていることをビビッドに捉え、多くの人が「あるある」と共感できる歌を作る彼らならではの視聴者に寄り添う曲になった。

 まだしばらくは殺伐とした朝を迎える日々の中、「よし!」と前向きな気持ちで通い慣れた道を歩けそうだ。

 ■酒井政利(さかい・まさとし) 南沙織、郷ひろみ、山口百恵、キャンディーズ、矢沢永吉ら300人余をプロデュースし、その売上累計は約8700億円。『愛と死をみつめて』『魅せられて』で2度の日本レコード大賞を受賞した。2005年度、音楽業界初の文化庁長官表彰受賞。

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