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「ひょうきん族」負かした「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」

 物心ついた頃からお茶の間で見続けてきた志村けんさんのギャグと芸風が大好きだ。それゆえ、突然の逝去には心底に落胆している。

 「8時だョ!全員集合」は知らない世代だが、私のように後発番組の「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」を、こよなく愛しリアルタイムで観ていた人も多いはず。1986年1月11日の放送スタートから92年3月28日まで。土曜に限っては8時までに晩飯と風呂を済ませ、テレビにかじりついた小学生時代だった。

 同じ時間帯の「オレたちひょうきん族」では、ビートたけしや明石家さんまら人気芸人も出演していたことから、週明けの教室は、どっちが面白いか論争が起きたほど。

 記憶をたぐりよせると、「ひょうきん族」は少しばかり大人向けのギャグが多く、小学生の私には不可思議なことが多かった。比べて、「人を批判しない」「自分が笑われる存在になる」を徹底した志村さんのギャグは、間違いなく子供たちからやその親たちの人気を爆発的に増やした。

 その後、ご存じのとおり「志村けんのバカ殿様」「志村けんのだいじょうぶだぁ」など人気冠番組がぞくぞく。

 31日深夜に追悼放送となってしまった「志村でナイト」も欠かさず見ていた。

 喫茶店を営む志村さんと、道を挟んでそば屋の大将夫婦(アンタッチャブル・柴田英嗣、磯山さやか)らのコント設定は、ありがちな庶民の素朴な日常を、アドリブとアダルトなギャグで、絶妙のコントに落とし込む。昔に比べれば、体を張ったギャグは少なかったが、志村を敬愛する共演者がカバーした。

 つい先日の回では、隣にそば屋があるにも関わらず、喫茶店を営む店主がざるそばを衝動的に食いたくなる設定で、隣のそば屋から、ネギやもみじおろしを次々に借りては戻る。最後には、めんつゆすらないから、結局お隣へ食べに行くというベタなオチ。そのくだらなさ満載のホームコメディーを平日深夜に見られる幸せにひたっていた。

 追悼の志村けんバラエティー特番が近々に各局で放送される。笑いと悲しみで、涙が止まらないだろう。

 ■高須基一朗(たかす・もといちろう) 出版プロデューサー。父・高須基仁の下で、数多くの有名芸能人のヘアヌード撮影の現場進行を経験。代表作には、アントニオ猪木『人生のホームレス』、ミス・ユニバース『食べるフィットネス』など。格闘技雑誌の編集長を経て、現在はスポーツコンテンツアプリSPAIA(スパイア)にて格闘技記事を執筆。

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