【ぴいぷる】歌手・角川博、コロナ禍があるから「目標は立てたくない。あえて言うなら『生きること』」 (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【ぴいぷる】歌手・角川博、コロナ禍があるから「目標は立てたくない。あえて言うなら『生きること』」 (1/2ページ)

 5年前、デビュー40周年で取材したときは、「芸能人にありがちな波瀾(はらん)万丈がまったくないんです」と煙に巻かれた…。

 ■節目が嫌い

 45周年の今回は「僕ね、節目って嫌いなんですよ。44年だって、45年だって、角川博は角川博なんだから」という。やっぱり記者泣かせだ。

 とはいえ、何か思い入れはあるのでは?

 「振り返ったり、思い出したりもしないよ。いいことも悪いことも忘れるようにしているの。今、1分1秒を大切にしていれば、未来へ進めるからね」との答えが…。なるほど。

 そんなデビュー45周年を記念して、シングル「雨の香林坊」(キング)をリリースしたばかり。金沢・香林坊を舞台に、愛した男性との将来を悲観した女性の思いを歌い上げている。

 これぞムード歌謡というテイストだが、「僕のとっかかりはクラブ歌手だからね。やっぱりムード歌謡って、ホステスさんに受けるんだよ。ホステスさんが好きなのは、巷にはやる歌。私のことを歌ってくれていると思う歌なんですよ」。

 重厚なイントロに続いて、伸びのある高音で歌い出し、ぐっと心を締め付けてくる。高音で切なさを表現するのは、まさに角川博の真骨頂だ。

 「実は作曲家は30年近く付き合いのある人でね。曲をもらったのは今回が初めてなんだけど、僕の声質をよく知っているんですよ。最初は、曲の冒頭も低く始まる感じだったんだけど、もっと声が出るから高くしてとお願いして。この歌はここがポイントだな」

 サビの「金沢 雨の香林坊」のフレーズにも、変則的なブレスが入る。これも、もともとの譜面にはなかった角川博的な味付けだろう。カラオケで歌うにはちょっと難しそうだが、「皆さんにあんまり簡単にうまく歌われても悔しいから」。

 コロナ禍では、やはり歌う場を奪われた。自宅にこもってばかりの生活には、「食っちゃ寝ての生活で、自粛太りっていうのかな。さすがにそれはまずいので、公園を“徘徊(はいかい)”しているよ」と笑う。

 歌う機会がないと、声が出なくなるのでは? なんて質問には、「声はね、出すんじゃなくて、響かせるものなの」とばっさり。はて、「響かせる」とは?

 「こればっかりは説明のしようがないよ。声は楽器と同じ。トランペットって息を吹いて唇を震わせるでしょう。あれと同じで、声は口の中で響かせるの。だから、どう響かせるかは、実際に歌わなくても、常にイメージ・トレーニングしておくんです。でも、さすがにこれだけ歌う機会がないと、たまには実戦が欲しくなるけどね」

 それでも、「好きな歌は歌わないようにしている」という。その心は、「歌は商売だから」と割り切っている。

 「身もふたもないこと言っちゃうけど、好きや嫌いで歌を歌ってはいけないんですよ、プロは。好きな歌には余計な感情が入っちゃうでしょ」

 そう語るわけには、クラブ歌手時代の経験が息づいている。

 「クラブって、お客さんはそれぞれ自分たちで話し込んでいるの。その横で歌手が感情を入れ込んで大きな声で歌ったら、うるさいでしょ。逆に耳をふさがれてしまう。聞こえるか、聞こえないかぐらいの大きさで歌うのがちょうどいいんですよ。だから、僕は好きな歌は歌わないの。プロだから」

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