マヂカルラブリーVで「M-1」が抱えた大きなジレンマ コント・キャラ立ちコンビに追い風、正統派しゃべくり漫才は衰退危機!? - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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マヂカルラブリーVで「M-1」が抱えた大きなジレンマ コント・キャラ立ちコンビに追い風、正統派しゃべくり漫才は衰退危機!?

 「M-1グランプリ2020」で、結成13年目のマヂカルラブリーが第16代王者に輝いたことで、M-1は大きなジレンマを抱えることになった。正統派のしゃべくり漫才を支持するのか、新しい変幻自在の漫才を支持するのか。今後のM-1は混沌とした時代を迎えることになる。

 決勝ラウンドでは、審査員の票はマヂカルラブリー3票、おいでやすこが2票、見取り図2票と割れた。それだけ、この決勝が激戦だったということだが、一方で絶対的な王者という存在がなかったともいえる。

 「2019年の王者となったミルクボーイは7票中6票を獲得し、圧勝でした。審査員が7人になって以降では、マヂカルラブリーの3票というのは史上最少となります」と演芸関係者。

 今回の決勝は異質な3組が残ることになった。しゃべくり漫才の見取り図、コント的要素の強いマヂカルラブリー、そしてピン芸人のユニットのおいでやすこが。審査員の票の割れはこの影響を色濃く受けているといえる。

 演芸評論家の高山和久氏はこう話す。

 「ユニットである、おいでやすこがが優勝すると、漫才師の立場がなくなるという思いが審査員に少しはあったのでは。おいでやすこがに投じたのは松本人志と上沼恵美子。しゃべくり漫才のオール巨人とナイツの塙宣之が見取り図に、コントもやるサンドウィッチマンの富澤たけしと中川家の礼二がマヂカルラブリーに割れた」

 実際、ファーストラウンドではオール巨人は、おいでやすこがに一番高い点数を付けていた。決勝では「三者三様で面白かったが、しゃべりを重点的にみてしまった」と明かしているが、本職の漫才師にシフトした感は否めない。

 高山氏は続ける。

 「立川志らくは落語に出てきたら面白い、芝居にしても面白いと感じるキャラのばかばかしい挙動と意外性のある展開を評価して、マヂカルラブリーに投票したのではないか。志らくの1票がキーポイントだったといえるだろう」

 しかし、今回のM-1をマヂカルラブリーが制したことは、今後の流れを大きく左右することになりそうだ。これまでの「R-1ぐらんぷり」で裸芸などの飛び道具が幅を利かせてきたのと同じ現象が起きかねない。

 「来年以降のM-1は飛びぬけたコンビが出ないかぎり、混戦が予感されます。見取り図が敗れたことで、キャラの立ったコンビを中心に動いていくのではないか。そういう意味でも、しゃべくりで笑い転げる爆笑漫才は姿を消してしまわないかと不安を感じる大会でもあった」と高山氏は指摘する。

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